「愚痴が多いわよ、コムイ」

「すみません…ただ最初の犠牲となったのは元帥だった。
もしかしたら伯爵はイノセンス適合者の中で特に力の在る者に『ハート』の可能性をみたのかもしれない。
アクマに次ぎノアの一族が出現したのもおそらくそのための武器増強。
エクソシスト元帥が彼らの標的となった。伝言はそういう意味だろう。
おそらく各地のエクソシスト達にも同様の伝言が送られているハズ」

「確かにそんなスゲェイノセンスに適合者がいたら元帥くらい強いかもな。でも、レティシアも相当強いんじゃね?」

「あら、ありがと」

「だがノアの一族とアクマ両方に攻められてはさすがに元帥だけでは不利だ。正直ボクもレティシアがハートじゃないかと考えてる」

「違うと思うけどね」



レティシアは確かにみんなとは違って少し(いやかなり)特殊な存在。
だからハートと考えるのもしょうがないことだ。
でも神が自分にハートを預けるようなことはしないと思うのだ。…口には出せないけど。



「各地のエクソシストを集結させ四つに分ける。
元帥の護衛が今回の任務だよ。君達はクロス元帥の元へ!
それで…レティシアはどうしますか?」

「なんでレティシアだけ希望を聞くんさ?」



ラビが的確な指摘をする。
ラビやブックマンでさえコムイの采配によってクロス元帥にふられたのだ。
それなのにレティシアだけ希望を聞くのは、確かに不自然だ。

レティシアは少し「んー…」と目線を上にあげたがふぅっと息をついた。



「そろそろ教えてもいいかしら。ね、コムイ、リナ、ブックマン」

「そうですね…」

「その方がいいじゃろう」



二人が同意したのでレティシアはにっこりと笑った。

事実を知らないのはラビとアレンの二人だけ。
二人に向かい合うとレティシアは大きく息を吸った。



「実は私、大元帥なのよ」

「「……、………、…え?」」



思わず聞き返してしまった。

レティシアが…大元帥?…あの、大元帥!?



「だ・か・ら!私、大元帥なの!」

「「…、……えぇぇぇぇ!!??」」

「ふふ、希望通りのリアクションありがとう」

「ていうかレティシア、直球過ぎ…」

「それが私のモットーだから」

「え!?レティシアってそんなに偉い人だったんさ!?」

「別に偉い人じゃないけど…」

「でも大元帥って言ったら教団のトップじゃないですか!」

「そうねぇ。一応そういうことになってるわ」


二人とも絶句。

今まで話していた人がまさか大元帥だったなんて……
よく考えればコムイとブックマンが敬語だったのだ。
それくらい偉い人だということは大体予想はついていたはずだった。



「まぁ別に私は大元帥だからって敬語使われるのが嫌だったのよねぇ。
だからみんなには普通のエクソシストって言ってたわけだし」

「レティシア大元帥らしい言葉ですね」



コムイが苦笑する。
レティシアが照れを隠すようにあはっと笑った。



「でも大元帥だからって別に敬語じゃなくていいわよ。これまで通りでいいから」

「…わかったさ」

「わかりました…」



でもどれだけレティシアが変わり者か分かった気がします。
アレンは小さく心の中だけで呟いた。

その返事に満足したのかレティシアは再びニコッと笑った。


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