「ゲヘヘヘヘヘ!!無理だ無理だ!元帥共は助からねェ!!
ノアとアクマが大軍で奴らを追いかけてるんだぜ。
お前らがこうしてアクマを壊している内にも…」



神田はアクマの言葉を最後まで聞かずにとどめを刺した。
不快な声をこれ以上聞きたくないかのように。



「うるせェ」

「行くぞ神田」



神田は六幻をしまうとマリ達のところに足を運んだ。
アクマたちの残骸を超えて歩いていくが、デイシャはあからさまにため息をついた。



「まったく。ジャマじゃん。次から次へと襲ってきやがってちっとも進めやしない」

「オレ達を足留めしてェんだろ」

「元帥に辿り着くだけでも一苦労だな」

「チッ」

「なんだ?イライラしてるのか神田」



あからさまに舌打ちをする神田にマリは小さく首を傾げる。
「してねェよ!」と言うが語尾も強く、苛々していることは明らかだった。

大人のマリは何かを察したように口を噤んだが、デイシャは違う。思ったことはすぐに口に出してしまう。



「あ、もしかしてあれじゃん?レティシア…だっけ?あの子と一緒じゃないからじゃん?」

「…っ、違ェよ」


違う…そうじゃねぇ……

あれからずっと……

アイツの…『ティキ』と呼んだレティシアの声が…耳に残って離れねぇんだよ…っ



「「(そうなんだ…)」」


分かりやすい反応に二人とも突っ込みづらかったとか。



「しっかしいつになったら辿り着くのかねェ。
オレ達の捜すティエドール元帥はもうこの街にゃいねェみたいじゃん。
まったく足が早いっつーか鉄砲玉っつーか」

「どうせどこかで絵でも描いているんだろう」

「まったくオレらも変な師を持っちまったなあ、神田」


はは、と笑って同意を求めたが、神田の表情を見て笑みが固まる。
…神田は真っ黒い表情をして、ドスのきいた声で一言呟いた。


「俺はあのオヤジが大っ嫌いだ」

「「(それも理由の一つかぁ)」」

「ま…クロス元帥よりはマシじゃん…」


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