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「…モヤシくん」
リナリーが駅に止まるとみんなの分の夕食を買ってくると言って出て行った。
最初は窓を見つめていたレティシアが目線を窓から外さずにアレンの名前を呼んだ。
「リナが怒ってるの、わかってるわよね?」
「…はい」
「さっき、リナがトイレの前に立っていたでしょう。…あなたが左目を使えないから心配で待っていたのよ」
「あ…」
ようやくリナリーの気持ちを察することができたのか、アレンは表情を変える。
レティシアは窓から視線を外すとまっすぐにアレンを見つめた。
「私はリナの親友。モヤシくんといえどその親友を泣かせたら許せないの。だから……行ってらっしゃい」
「え…?」
思わずアレンはレティシアへ視線を上げて、彼女を見つめていた。
怒られると、思っていたから……
レティシアの視線は柔らかなものとなり、アレンを包み込んでいた。
「リナはいい子よ。話せばきっと許してくれるわ」
「わかってます…」
「なら話してきなさい。私が怒る前にね」
「…っ行ってきます!」
急いで出て行くアレンを横目で見届けると大きく息をついた。…小さな微笑みを浮かべながら。
「まったく…子どもねぇ」
「レティシアはお人好しすぎるさ」
「違うわ。ただリナには泣いてほしくないだけ」
「…ホント友だち思いなんさねぇ」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
小さく笑みを浮かべるとレティシアは目をつぶった。
ふたりの仲直りがうまくいくようにと願いながら。
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