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「そして旅人は去っていきました。
それからしばらくしてクロウリーは村人を襲うようになったのです」
『神父』
『同じ十字架』
村長さんの回想の中で出てきたキーワードに、三人の中に一人の人物が浮かび上がる。
ラビとは違う赤毛に、怪しげな仮面。
神父とはとうてい思えないほど借金をしている…あの人。
「あら、もしかして…」
「今日までですでに9人の村人が奴の餌食に…」
村人達から悔しげな声があがる。
中には親しいものを殺された者もいるようで、クロウリーのことを許せなくて、殺せと騒ぐ村人もいた。
…憎しみとは怖いものだ、とレティシアは冷めた目で村人を見ていた。
「私どもは今夜決死の覚悟でクロウリーを討ち行くつもりでした。が!」
「ヤな予感…!」
「主は我らをお見捨てにはならなかった。
黒の修道士の方!どうかクロウリーを退治してくださいましぃー!!」
練習したのかと思うほど息ぴったりに村人全員で三人に土下座する。
レティシアはまためんどーなことを…とクロス元帥に対し、毒をはいた。
ラビも同じことを考えたのか嫌そうな顔をする。
「オレらはアクマ専門なんだけどなー…」
「なんと!悪魔まで退治できるのですか!心強い!」
「いや。そのアクマじゃねーんだけど」
「その旅人ってどんな人でした?」
「こんな人でした!」
アレンの質問に、村長が似顔絵を簡単に描き、その似顔絵に小さくため息をつく。
やっぱり。
そう言いたくなるほど、予想は的中。
紙に描かれたのは間違いなくクロス元帥の似顔絵だった。
「わークロスだー」
「レティシア、限りなく棒読みですよ…」
「チッ、今度会ったときシメよう」
「レティシア怖っ!」
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