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「ラビット!!」
レティシアはすぐに飛ばされた方に走っていく。
そんなレティシアの行動が目に入っていないようにクロウリーはアレンを睨みつけた。
「私を怒らせたな」
これは単なる吸血鬼退治じゃない…?
吸血鬼アイレスター・クロウリーは、彼は……
「死ね。エクソシスト」
僕らの…仲間かもしれない。
レティシアはすぐにラビに駆け寄った。
瓦礫に埋もれていたので、手が傷だらけになりながらも瓦礫をかき分けていく。
そしてようやく瓦礫の下からラビを見つけることができた。
「ラビット…」
そっと傷を見てみたが、外傷がひどい。
頭も強く打っているようで、頭から血が流れ出していた。
レティシアは治癒系のイノセンスではない。バリバリの攻撃型だ。
でも……――レティシアの涙がラビの体をぬらす。
するとレティシアの涙が触れたところからラビの体がどんどん治っていった。
「…ごめん。これ以上は無理だわ…」
涙はそんなに多く出るものではない。
しかし、レティシアはだいたいのラビのケガを治すことができた。
それでも、ラビは目を覚ますことはない。
「ラビット…」
わかっている。
エクソシストが…ラビットがこんなことで死ぬはずないと。
でも、怖い。
「ラビット」
もう……仲間を失いたくないのよ…っ
「ラビット…!」
お願いだから…目を開けて…っ!
「ラビっ!」
「…はいよー」
「…!!」
思わず目をつぶりかけた目をぱっと開く。
目の前に広がるのは、血とは違う赤。
ニカッと笑う顔は太陽のよう…変わらない、笑顔がそこにあった。
「初めてラビって呼んださね?」
「!無意識のうちに呼んでたわ…」
「そっか。…なんか得した気分さ」
「よかったわね。ラビット、大丈夫?」
「(またラビットに戻ってる…)ん?もち!こんくらい平気さ!
ジジイのげんこつのほうがよっぽど痛いさね」
「ふふっ、そうかもね」
初めて見たレティシアの不安そうな顔に、ラビは安心するようにポンポンと頭をなでる。
レティシアが見上げると、ラビが優しい笑みを浮かべていた。
…本当は…胸が締め付けられるように痛かった。
レティシアがあんなに必死そうな顔をすることは今までに見たことがなかったから。
だけど、それ以上に…レティシアにはそんな顔をしてほしくなかった。
「もうダイジョブさ」
「…よかった。…あ、待ってラビット。私、ちょっとクロウリーと話がしたいから」
「?わかったさ」
アレンが飛ばされてしまった。ラビがクロウリーを止めに行こうとしたのでその体を止める。
中庭にはクロウリーしかいない。
ひゅんっと風を切り、レティシアはクロウリーの前に躍り出る。
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