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教団に帰ると報告書をレティシアが書いて持っていく。
いつもなら神田に押しつけるところだが、どうしてもコムイに言いたいことがあったから。
「ただいま、コムイ」
「おかえりなさい、レティシア大元帥」
「その大元帥ってつけなくてもいいのに」
相変わらずコムイは頑固ね。私はそんな器じゃないのに。
そう言いたかったが、恐らくこの言葉遣いは変わらないだろうとレティシアは困ったように笑った。
ドアを開けると壮絶と言っていいほどの書類の山。
レティシアはその中をすいすいと進んでいき、報告書を提出する。
「今回ははずれよ。アクマは破壊しといたから」
「そっか…お疲れ様。ゆっくり休んでね」
そんなコムイの発言にレティシアは思わず優しげな笑みを浮かべていた。
このコムイという人物は…本当に室長にふさわしい人だわ、と。
「コムイもコーヒーばかり飲んでいたら体に悪いわ。リナをお嫁に出さないために長生きしないと」
「そうだね」
微笑んだコムイにレティシアは何も言わなかった。
ただ小さく笑い返し、きびすを返す。
「…コムイ」
「はい」
ドアノブに手をかけて、レティシアは軽くふり返った。
ちょっとした悪戯な笑みをうかべて。
「…ユウちゃんならペアの任務でもいいわ」
おやすみ、と言ってレティシアは部屋をでていく。
残されたコムイの呟き。それは誰も聞いていなかった。
「珍しい…レティシアが認めるなんて…」
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