コツ コツ コツ 


コツン


後ろに懐かしい人がいる。
違うかもしれない。

でもそんな気がする――――


マナ…?



「例え左眼が見えなくても僕はエクソシストを続けるつもりだったよ…」


だってそれがマナとの約束でもあり誓いだったから―――

それに、レティシアとも……


「仲間と同じ、覚悟をしたんだ」


心配したんだよね……
僕がエクソシストをやめないか…って。

でも、やめないよ。立ち止まらない。
僕はエクソシストとして、生きる。


消えていくマナの姿。
見えなくとも…わかる。

大切な人なのだから……


「マナ…」


思わず、涙が、出た。



ならば より深く

より黒白(こくびゃく)の世界へ

堕ちてゆけ




目を開けると現実の世界へと戻る。
見えたのはまだ人間の姿のエリアーデと、レティシア。


「あれ?レティシア?」

「お目覚めかしら?ケガはない?」


左眼が開いたことについて何も言わない。…何も、聞かない。

ただいつものように微笑んでるだけ。
それが、どこか心地よくて…レティシアらしかった。


「…すみません」


謝りつつも嬉しくて思わず笑ってしまった。
そんなアレンの気持ちを汲んだのか、レティシアも小さく笑いながらアレンの頭を撫でた。


「謝るくらいならお礼を言って。…それより、モヤシくん」

「はい、何ですか?」

「…エリアーデを破壊する?」

「アクマですから」


迷いなく即答したアレンにレティシアは小さく「…そう」と呟く。

アレンが決めたことなら何も言わない。
本来なら…破壊しないといけない存在だということは分かっている。

(でも、わたしは…)
(確かめたいのかも、しれない)



「ったく。キズついちゃったじゃない。
ホント嫌なガキね。あー服もボロボロ」

「…?ボディをコンバートしないんですか?」

「まーナマイキ!ブスになるから嫌なのよ。こっちのが好き」

「エリアーデは美人だからね」

「あら、ありがとレティシア。さすが女同士わかるわね」

「モヤシくんは(自称)紳士でもまだ女性の気持ちというのがわかってないからねぇ」

「レティシア、あなた何普通に話してるんですか」


相手はアクマだというのに、まるで普通の女の子同士で話しているようにエリアーデと話している。
いくらレティシアがマイペースだとしても程があるとアレンは苦笑した。



「でもまぁこの状況じゃそんなことも言ってらんないか…」


コンバートされる体。

レティシアは静かに後退し、アレンは深くフードを被りなおした。



「そうですよ」


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