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神田とレティシアは立て札を発見し森へと足を踏み入れた。
夕方と言えど日はあるはずなのに暗い森の中では神田は同化し、レティシアは光り輝いているようだった。
「…人の気配がまったくないわね」
「あぁ」
緊張感が高まる中、レティシアは五感を最大限に活用する。
すると後ろから音がかすかに聞こえてきた。
「ユウちゃん」
「…!!」
レティシアの呼びかけに神田が振り返った瞬間、斧をふりかざす男が目に入る。
レティシアは大きく後退し、男と距離をおいた。
よけざま、神田は六幻を鞘から引き抜き、男を峰打ちする。
「ぐうっ!」
「(ユウちゃんは甘いわね…)」
男が本性を現す。醜く顔をゆがませ、体が変化していく。
――人間ではない。彼は、伯爵のオモチャ。
「(こいつ、アクマか!)」
そう判断した瞬間に神田はイノセンスを発動させた。
まだレベル1。手こずるような相手ではない。
レティシアをちらりと確認したが、イノセンスは発動していなかった。
つまりは神田が破壊しろといっているようなもの。
その態度に舌打ちしそうになったが、アクマを破壊するのが神田の役目。
一体のアクマならこれで充分だ、とばかりに神田は六幻で一気に切り裂いた。
「ユウちゃんさすがね。それじゃあこの調子でがんばってね」
「あ!?お前オレにおしつけるのか!?」
ありえねぇ!一応お前もエクソシストだろ!
「やぁね、人聞きの悪い!そうじゃなくてユウちゃんの実力を上げさせるために涙をのんで…」
「お前よくもそんなこと言えるな」
よよよっと泣くマネをしたレティシアに呆れながらため息。
あらあらとレティシアは肩をすくめるが、急に目つきが変わる。
――カサリ
「誰だ!」
「こ、殺さないでください!」
怯えながらも突然茂みから出てきたのは巨体の男。
体重はレティシアの二倍以上はあるだろう。
ラビとは違う赤の髪に緑の目。
神田とレティシアはファインダーである証拠の白いコートに気づいた。
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