「おまえ、ファインダーの人間か?」

「は、はい。ゴズといいます。
その長い黒髪に日本刀…エクソシストの神田さんですよね?
それにそちらの方は…新しいエクソシストさんですか?」

「あら。また新参者扱い?十年もいなくなるのも考えものね」



ふーっと諦めたようにため息をつきながらゴズを見据えた。

ゴズはその容姿に息をのむ。
白い肌に波打つようなプラチナブロンド。
暗い森の中でひとつの宝石のようなオッドアイ。

まさに完璧の容姿だった。
その完璧な容姿にゴズが緊張しないはずがなく、思うように声が出ない。
えっと、だの、あの、だのどもるゴズにレティシアはさっさと自己紹介する。



「初めまして、レティシアよ。
言っておくけど私は新しいエクソシストではなく十年間以上いるベテラン。
自分で言うのもなんだけどあなたより教団というものを知っているつもりよ」

「すっすみません…助けてくださってありがとうございます!」

「助けたのはそこのユウちゃんだから。それで?あなたはこの三日間何をしてたの?」

「仲間が二人殺されて…それからずっと逃げ回っていました」

「何があった?」


神田は舌打ちして尋ねた。
レティシアは、ユウちゃんは今確実に情けない奴だと思ったわねと心の中で呟いた。

ゴズの話ではこの一本道を進んでいるときにさっきの男に襲われたのだとか。
ゴズが悔しそうにぐっと唇をかみしめていたが、レティシアはただ見つめるだけ。



「ほんと、一瞬の出来事でした。俺たちファインダーでは敵わなかった…」

「当たり前でしょ」


アクマはエクソシストしか破壊できない。
それは当然のことだ。
そんなことを悔やんでいてはファインダーとして辛いだろう。
アクマに出会うたびに、自分の非力さを嘆かなければならないのだから。

…そう考えてしまうレティシアは自分の冷徹さに小さく自嘲した。



「…命からがら逃げたけど、俺、もうどうしようかと。…情けない。
目の前で仲間が殺されたのに、一人逃げてあげくに迷ってしまうなんて」

「黙れ」

「おしゃべりもほどほどになさい」



神田とレティシアの空気がかわる。…ピンッと張りつめた、空気。
突然変わったぴりっとした空気にゴズはわからないとばかりに困惑していると神田は「新手が来た」と短く説明した。

神田は六幻を構え、レティシアは戦闘態勢に入る。

…いつの間にか囲まれていたようだ。
いや、レティシアはずっと前から気づいていたが。

ただ言わなかっただけ。



「ユウちゃん、」

「…なんだ、お前ら」



神田の問いかけに対して返事の代わりに同時に襲いかかってきた。
レティシアは避けるのと同時に大きく飛躍し、木の上に座る。

神田はこれもオレにやらせる気か!?と怒鳴りたかったが、今は目の前の奴等からだと思い直す。
六幻で男達を斬りとばすと体が派手に爆発した。


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