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「何を言っているの!?私がふたりとも殺してあげる!!」
「あら〜やる気満々ねぇ」
できるはずがないのに。
ふわりと浮いたように後退し、外へ出る。…大きな鎌が現れたからだ。
こんな狭い部屋の中であんな大きな鎌を振り回されてはたまらない。
「死神って感じね。今回魔女だけど」
しかし、レティシアの興味が掻き立てられるわけでも、戦わないといけないという切迫感ももつことができない。
つまりは高みの見物をするに限る、ということだ。
レティシアはまたひとつ大きく後退すると、近くの木に座って足を組んだ。
「お前っ!本気でオレにやらせる気か!?」
「がんばってね!」
「アクマの次はお前を斬るっ!」
「またまたそんなこと言って。できないくせにー」
笑いながらひらひらと手を振ると、神田は舌打ちを一つ。
…斬りたくてもできない(実力的にも気持ち的にも)ことは自分でもわかっていた。
仕方がない。アクマを壊すのが自分の仕事なのだから。
そう考えなおし、神田はゆっくりとアンジェラと向き合った。
アンジェラも鎌を一振りし、店を壊すと悲鳴に近い叫びが響く。
レティシアではない。アンジェラとソフィアの父である…店主の声だった。
「アンジェラ!もうやめてくれ!私が悪かった…頼むからもう許してくれ。
もうやめてくれ…これ以上、人が死ぬのを見たくない…」
がくりと絶望したように膝をついた店主の前にアンジェラがにやりと気持ちの悪い笑みをうかべた。
そしてゆっくり鎌が振り上げられる。
「危ない!」とゴズが大きな声をあげたが、容赦なく鎌は店主の腹に突き立てられていた。
「あああ!」
「しっかりしてください!」
鎌を腹から引き抜くと店主はゴズの方へと転がっていき、ゴズは泣きながら店主をゆさぶる。
店主の腹からは大量出血していて…見るからに助からないことがわかった。
実の娘に殺された父親……
それでも店主が最期に口にした言葉は、ソフィアとアンジェラ、二人の娘への謝罪だった。
「そんな…そんな!」
「…しょうがないのよ。これが私達の戦いに巻き込まれた人達の最期」
レティシアは何かを押し込めるようにぎゅっと目をつぶった。
実の父親を殺しても何も感じないのがアクマ。
アンジェラは殺せた快楽に歪んだ笑みを見せている。
神田もゴズから目を離し、アンジェラを見つめる。
「ふふ…自分が起こした悲劇を見せつけるために生かしておいたけど…もう充分満足したわ」
アンジェラは嘲笑を浮かべ、何もないように店主の亡骸を一瞥した。
そんなアンジェラに対して神田が六幻を構え、前に一歩進む。
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