「まだまだ甘いわよ」

「っ!テメッ!」

「ユウ、やめろさっ!」


ラビが槌で止めようとしたが神田は攻撃の手を緩めない。
しかし、レティシアの余裕の笑みは消えることはない。

いい攻撃だわ。その年にしては上出来。でも…私には効かない。

全て蝶のようにひらり、ひらりとかわしていく。



「…あなたの体力がもたないからやめましょう?」

「ハッ!体力なんて関係ねぇんだよ」



そういってどんどん攻撃のスピードをあげていく。
なのにレティシアはため息。

「(はぁ…少し飽きてきちゃった。コムイいないのかしらー?)」


すでに飽きていた。

ラビはそんな二人の戦いを食い入るようにみている。



「(あの身のこなし…ただモンじゃねぇさ。一体あの人は…)」

「ねぇコムイ知らない?ここの室長、コムイ・リー」

「「…!!」」

「コムイを知ってるんさ!?」

「もちろん。いないの?」


まさかついに仕事放棄してるんじゃないでしょうね?
…ありえないこともないわね、あのコムイなら。

そうレティシアが半目になっていると、コムイは爆睡中だとゴーレムから聞こえてくる。


「(あの巻き毛室長…相変わらずね!)」


まったく…と悠長にラビと話しているがレティシアは神田の攻撃をかわしながら話しているのだ。
その余裕の態度に神田が苛々しないはずがない。
自分は本気で攻撃しているというのに、レティシアは余裕そうにかわすばかり。



「逃げてばかりしてねぇでちょっとは反撃したらどうだ!?」

「あらいいの?でも私が攻撃するとあなたが大けがしちゃうからやめておくわ」


上から目線。

この言葉が一番しっくりくる。

そんな上から目線の言葉に神田が怒らないはずがなく。
先ほどまでの苛々も重なって、ブチリとキレてしまった。



「六幻 災厄招来」

「ユっユウ!やめろさ!!」


いくらなんでもやりすぎさ!
相手は大人だけど女性なんよ!?


「界蟲“一幻”!!!」


ラビの制止も聞かず神田は界蟲を放った。
本来なら絶体絶命の大ピンチのはず。
しかしレティシアはくすっと笑みを漏らす。

笑った…?

その場違いさに神田は眉をひそめながら爆発音を聞いた。


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