「そこのキミ!ボクの机調べて!」



コムイの指す“ボクの机”。
それは書類が重なりに重なり、いつから手を付けていないのか蜘蛛の巣まで張ってあるというカオスだ。
正直、あそこから一枚の手紙を探すなど…一体何分、いや何時間かかるのか。



「アレをっスか…」

「無理よねぇ」



真っ青になっている科学班の一人(名もなきAさん)に笑ってレティシアが答えてあげた。
みんな気持ち的には「おーい…何言ってんだぁ…」と言う感じだろう。

大体、コムイがこまめに手紙をチェックしていればこんなことにはならなかったはずだ。
いや、もっと言えばコムイが真面目に仕事をこなし、机を整理していればこんなことには…など思うことは多々ある。



「コムイ兄さん…」

「コムイ室長…」


痛い。
視線がイタイ。

レティシアはこの空気が面白くて仕方がない。
肩を大きく振るわせて、必死で笑いをこらえている。

コムイも科学班員やリナリーからの(冷たい)視線に耐えられなくなったのかすぐにきびすをかえした。



「ボクも手伝うよ」

「ふっ普通自分で探すでしょっ…ぷっ!」

「レティシア…笑うなら大声で笑って」

「いいのっ?あはははは!!!!」



大爆笑するレティシアにリナリーも隣で苦笑。
大声で笑ったせいか、神田にまでレティシアの笑い声が聞こえてしまったらしい。



『おい、まさかそこにレティシアいんじゃ…』

「はいは〜い!レティシアは私よぉー?」

『お前っ!寝たんじゃねぇのかよ!!』

「あれ?言ったっけ、そんなこと」

『言っただろうが!!』

「男なら細かいことは気にするな!ユウちゃんそれにしてもパワフルねぇ」

『お前はもっと気にしろ。つーかお前が行けっつったんだろ!』

「いいじゃない。ユウちゃんストレス解消になったでしょ?」

『…まぁな』

『僕ストレス解消で殺されかけたんですか!?』

「あらあら。聞こえてたのね」

『聞こえるだろ、普通。つーかお前もこっちこい』

「何でよーそしたら余計に体力使っちゃうじゃない」

『お前はもっと体力使え』


オレを使いすぎなんだよ!!…つーかパシリみてぇじゃねぇか!

今頃気づいても遅い。


「まぁいいじゃない。…ってあったの?」



後ろの方でありましたぁ!という声が聞こえ、楽しげにふり返る。
また散らかしたなぁっと思いつつ、手紙の内容を聞いた。



「“コムイへ
近々アレンというガキをそっちに送るのでヨロシクな。byクロス”です」

「はい!そーゆうことです。リーバー班長、神田くん止めて!」

「たまには机整理してくださいよ!!」


リーバーが怒る気持ちもわかる。
しかもコムイは責任放棄して「コーヒーおかわりしよっと」なんて言っているのだ。
この巻き毛が、と何人かの班員が殺気立ったのは無理はない。

「神田攻撃を止めろ!」とリーバーがマイクに向かって怒鳴っていると、リナリー、レティシアはコムイに呼ばれる。



「何かしら?」

「リナリーはちょっと準備を手伝って。久々の入団者だ。レティシア、上に戻ってください」


つまりは大元帥の役割をはたせということ。
レティシアははいはい、と嫌々ながらも腰をあげる。

実は大元帥の仕事ってあんまり好きじゃないのよねぇ……



「行ってくるわ」


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