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「あの、コムイさんって任務の話するとき敬語になるんですか?」
アレンが水路につくと、すでに先輩二人は出発する準備までしていた。
早いな、なんて感心しつつアレンはさっきのことを思い出しながらレティシアに聞く。
レティシアはアレンの問いに小さく首を傾げた。
「…そうねぇ。少なくても私にはそうだわ。ユウちゃんは?」
「…命令口調だな」
「てことはレティシアに敬語を使っていたんですね。でもどうして?」
アレンの純粋な質問。
神田も今までずっと気になっていたことの一つだ。
レティシアにはコムイも敬語を使い、あまりふざけたりしない。…タッグになったら最強になるが。
しかし、レティシアに聞いてもちゃんと答えが返ってきたためしがない。
「さぁ?どうしてでしょう?」
「今ごまかしましたよね!?」
「ごまかしたりしないわ。ね、ユウちゃん」
「…しるか」
「もういいですーコムイに直接聞いたら?」
たぶん答えてはくれないだろうけど。
「みんなそろった?」
噂をすれば影。コムイとリーバーが階段から下りてきた。
そろったわよ、とレティシアが返事をすると、コムイはよかった、と微笑んだ。
「それとアレンくん。これ」
「あら、団服」
「ちょっと着てみて」
コムイがアレンに渡したのはアレン用の団服。
昨日来たばかりだというのにもう団服ができているのだから、仕事が早い。
アレンはコムイから受け取った団服をばさっと羽織ったが、少し大きいのが目立つ。
しかしアレンはまだ15歳。成長期なのですぐにちょうどよくなるだろう。
「ちょっと大きいね」
「これ着なきゃいけないんですか?」
「エクソシストの証みたいなものでね。戦闘用に造ってあるからかなり丈夫だよ。
あと、左手の防具はボク的に改良してみました」
「私のも新しく作ってもらったのよ」
どうやらデザインに時間がかかったらしく、昨日渡されたのだ。
嬉しくてみんなに見せるようにひらりと一回りする。
リナリーと違ってミニスカではなく、ショートパンツ。
しかし羽織っているコートがかなり長いのであまり露出はない。
ただコムイ(そして科学班)の意向でコートに深くスリットが入っている。
これはチラリズムというのだろうか。
紳士なアレンにとって少し刺激が強かったのか、スリットから見える美しい足に顔を赤くしていた。
「に、似合ってますっ…」
「ありがと。アレンも似合ってるわよ。…じゃ、そろそろ行く時間だから」
「はい。お気をつけて」
「じゃなくて!『いってらっしゃい』でしょ?」
少し悪戯っぽく笑うとコムイが微笑み返す。
「そうだね。いってらっしゃい」
「行ってきます!」
「アレンくんも神田くんも行ってらっしゃい」
にっこり笑って親指を立てるコムイにアレンは懐かしさを感じた。
久しぶりに聞く、心の温まるあいさつ。
じんわりと心が温かくなるのを感じながら、小さく笑みを浮かべた。
「行ってきます」
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