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月が綺麗。
そう思う暇もなくレティシア達は急いでマテールの地に向かっていた。
「マテールの亡霊がただの人形だなんて…」
「イノセンスを使って作られたのならありえない話じゃない」
「そうね」
マテールの地についた瞬間、身を差すような殺気が体を駆け抜ける。
ゾクッとする感覚にアレンは自然と眉を寄せていた。
「(何だこの冷たい感触は…?ファインダーの人たちは…)」
「ちっ、トマの無線が通じなかったんで急いでみたが…殺られたな」
殺られた、という神田の言葉にアレンは悔しそうに顔をゆがめた。
レティシアはただまっすぐと街を見つめている。
「おいお前」
「私―?」
「…お前じゃねぇ。つーかわかってて聞くな」
「はいはい」
少しふざけただけなのにー
やっぱユウちゃんって真面目ね。
そんなことを考えながらレティシアは肩をすくめ、マテールの地の奥へと目を向けた。
「始まる前に言っとく。
お前が敵に殺されそうになっても任務遂行の邪魔だと判断したらオレはお前を見殺しにするぜ!
戦争に犠牲は当然だからな。変な仲間意識持つなよ」
「…嫌な言い方」
「ユウちゃん、新人一人一人にそう言ってるの?」
「…うるせぇよ」
「一々言わなくてもそれくらいわかるんじゃない?」
「…レティシアも、考えは神田と同じなんですか?」
恐る恐るレティシアに視線を向けて、問いかける。
まるで先ほどの答えを否定してほしいというように。
でもごめんね、アレン。私はそこまで優しくも甘くもない。
「そうね。だいたいは一緒。邪魔は斬り捨てるし、戦争に犠牲は付き物だと思ってるし」
「…そうですか」
失望したように目を伏せるアレンにレティシアは苦笑を漏らす。
アレンは優しいのか甘いのか…どちらにしてもこの優しさや甘さによって苦しみそうね。
そんな話をしていると街全体に爆発音が響き、素早く視線を爆発の中心に向けた。
目を凝らせば、そこにはアクマが二体確認できる。
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