「なんでティッキーがいるの?」

「だから…、…まぁアレだよ。運命ってやつ?」


バキッッッ!!!!!


レティシアの拳がティキの顔すれすれにあたり、壁が崩れた。
その威力にティキも冷や汗。



「(これくらったらオレ死んでたかも…)」

「ふざけてないで用件言いなさい」

「わ、わかった…、…用件は簡単。レティシア、こっち側につけ」



真面目な顔をして…ノアとして、仕事の交渉をする。
そんなティキに対してレティシアはフッと鼻で笑った。



「馬鹿の一つ覚えみたいに言わないで。行かないっていったら行かない。無理矢理連れて行かれても脱走する。わかった?じゃあね」

「ちょっ待って!嘘!ホントはレティシアに会いたくて来た!」

「…馬鹿。命がいくつあっても足りないわよ」


一気に言いたいことを言って背を向けて歩き始めたところを、眉をひそめてふり返った。
ティキはとりあえずレティシアを止められたことにホッとする。



「大丈夫。オレ、レティシアに殺されたら本望だから」

「じゃ、今殺してあげようか?」

「そ、それは嫌かも…」


レティシアならやりかねない。
しかしこれでも態度がよくなった方だ。

昔は……、…(遠い目)

そう意識を飛ばしていると初めてレティシアから「ティッキー」と話しかけられた。



「ティッキーはいつも私に『会いたくて』とか言うけど。
私、ティッキーと似てる人を知ってるの。だから…ティッキーのこと無視できなかった」

「……」

「いっとくけどその人はティッキーと違って
ダッサイビン底メガネだし変人だしカード弱いバカだけど

「……。」


つーかコレ、オレだよな?白のオレのことだよな?
オレってそういう風に見られてたワケ…?



「でも…」



ふとレティシアの目が柔らかくなる。

いや…雰囲気が違う。
優しいような…包み込むような、柔らかな空気。



「優しくて…守りたいって思えた人だった…」

「…そいつのこと好きなの?」


もし好きだと答えたらオレは白の自分だとバラすよ。
それでレティシアが一緒に来てくれるなら……

でもティキが予想していた答えとは全く違うものだった。



「わかんない」

「…へっ?」

「わかんないの。今でも。
でもただわかることは一つ。

もう絶対にあの人には会えない」

「……」



言ってやりたい。
オレがそいつだよって。

今会ってる。
前から姿を変えて会ってるって。

だから……そんな切なそうな、今すぐにでも抱き締めてあげたい顔…しないでくれ……

でも言えない…っ


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