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「世話になった」
「(ここまで力が強かったなんて、ね)」
真面目な顔をして考え事をしていると、大きな力が加わり横に倒れた。
ぐいっと首根っこを掴まれ、そのままずるずる引きずられる。
まるで荷物のようだと思いながらも、暴れることはない。ちゃっかり文句は言うが。
「ユウちゃん痛い、削れるー」
「……」
無視ですか。
これ以上背が小さくなったら困るのよ!
ユウちゃんはどんどん背が高くなっていくし!
もうお姉さん悲し……
「うるせぇぞ」
「あら。もしかして声に出ちゃってた?」
「あぁ」
「じゃあ離してー誘拐よー」
「棒読みしても意味ねぇだろ」
「む…、…トマぁ…」
ちらりと見上げてトマに助けを求めた。
上目遣い(必然的に)+少し涙目(痛みから)=トマは赤面
「ちっ」
神田の舌打ちが聞こえたのでトマはすぐに冷めたが。
『今回のケガは時間かかったね、神田くん』
「でも治った」
『レティシアが治癒の力を使ったからね』
「!あいつそんなことまでできんのか?」
『本人に聞いてみれば〜?』
コムイの言葉に神田は少しためらったが、眉をひそめながら声をかけた。
「…おい」
「なに〜?」
離してくれないともう諦めたのか随分と静かだった。
諦めたというよりも引っ張られた方が楽ということに気がついたからなのだが。
「…お前治癒できんのか?」
「あらら、コムイね。えぇ。できるわ」
「どうやった?」
「…知りたい?まずこの薬品Aをユウちゃんの口に」
「おいコムイ、この得体の知れねぇもんどうにかしろ」
「ついに私も得体の知れないもの扱いね…」
『神田くん酷いねーレティシアに素直にありがとうって言えばいいじゃない』
「…うるせぇ」
『素直じゃないなぁ。
…でも時間がかかってきたってことはガタが来始めてるってことだ。
計り間違えちゃいけないよ。キミの命の残量をね…』
「すでに計り間違えるわよ、ユウちゃんなら」
ぼそっと言ったのが聞こえたのか、ちょっと強く引っ張られた。
うぅ…首が絞まっちゃう……
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