「アレンくんの対アクマ武器が損傷してるんだって。治してあげなさい」

「え゛?」

「あら。モヤシくん、おめでとう。生け贄に選ばれたわよ」

「損傷(ケガ)…」

「モヤシ…お前のことは一生忘れる」

「アレンです!そこは普通忘れないでしょ!ていうか殺さないでください!」


口々にアレンに「ご愁傷さま」という言葉がかけられていき、アレンは真っ青になる。

そしてアレンに死刑宣告がくだされた。


「優先順位設定!アレン・ウォーカー重症ニヨリ最優先ニ処置スベシ!!」



素早くコムリンの手がアレンの足を掴んだ。
ガシッと強く掴むところが絶対に離すもんか…と言っているようで、恐ろしい。



「アレン!」

「アレンを手術室へ連行―――!!」

「ぎゃあああ何あの入口!?」

「地獄への入口、かしら」

「かもな」

「そこのふたり!そんな悠長にしてないで僕を助けてくださいよっ」

「えー…こんなおもしろそうなこと止めるのが勿体ないじゃない」

「鬼――――!!!!」

「さぁリーバー班長!コムリンがエサに喰いついてるスキにリナリーをこっちへ!!」

「あんたどこまで鬼畜なんだ!ていうか神田でもいいじゃないっスか!」

「神田くんじゃコムリンが壊されちゃうかもしれないし……何よりボクが恐いじゃないかー!!」

「自分が可愛いのかよ!」


みんなが絶叫し合っている間にレティシアが神田に笑いかける。


「よかったわね、ユウちゃん。毎日睨みをきかせてる甲斐があったじゃない」

「…かもな」


そんな会話が成り立っている間にアレンには生命の危機が迫っていた。


「手術♪」
「手術♪」
「とにかく手術♪」


チビコムイがドリルや金槌、チェーンソーなどなどを持っている。
思わずアレンは背筋がゾッとした。いや、アレンでなくてもぞっとする光景だろう。

ついイノセンスを発動させて、攻撃しようとする。



「おおっ!新しい対アクマ武器!」

「フッ…!」


ープス

何かが刺さる音がしたかと思えば、アレンから突然力が抜け、発動が解かれてしまう。
何事かと思えば…アレンは「しびれる…」と言って倒れてしまった。



「アレン――――!」

「ウォーカー殿――――!!」

「わぁおコムイってば命中力あるわねぇ」


レティシアが妙に感心しているのはコムイの命中率。
どうやら吹き矢を仕込んでいたらしく、アレンに痺れる薬をぬった吹き矢を放ったらしい。
それにしたってあの距離からアレンの首筋に命中させるなんて中々できることじゃない。

だが、みんなにとってその命中率なんてどうでもいい。
破壊しようとしたのに、それを阻んだことが重要なのだ。



「室長ぉ―――っ!!!」

「吹き矢なんか持ってたぞ!」

「奪え!」

「だってだってあんなの撃たれたらコムリンが…コムリンが…っ!!」

「大人になってください室長!!」

「バカだねぇコムイは」

「何とかとバカは紙一重だからな」



すでに傍観者と化している神田とレティシア。
レティシアなんてどこからか持ってきたコーヒーを飲んでいる。


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