「リ、リーバーしゃん…リナリーをちゅれて逃げてくらしゃい…」

「アレン…」

「ぱやく…」


コムリンに引きずられながらもリナリーのことを心配するアレン。
そんな優しいアレンを見捨てることなんてできなかった。

リーバーはアレンの団服の裾を辛うじてつかんだ。



「アレン・ウォーカー収容完了しました」

「アレンんんん――――!!!」



リーバーがぶら下がっているのにもかかわらず、コムリンは次なる標的――リナリーに向かっていく。

そんな中、レティシアは静かに立ち上がった。



「レティシア?」

「ユウちゃん、ちょっと遊んでくるわね」


神田に微笑みかけるとすぐにコムリンの近くへと飛び上がる。
軽い足取りで進むと、ふわりと着地した。



「エクソシスト、リナリー・リー。手術シマス」

「マッチョは嫌だ―――!!!」



コムリンが手を振り上げた瞬間レティシアが体を滑り込ませ、リナリーを抱き上げる。
そして素早く飛び上がるとコムリンの攻撃をよけた。

その早業を見切れる人は神田くらい。
リナリーが攻撃されたと勘違いしたコムイは大絶叫した。



「キャアアアア――――!!!」

「乙女チックな叫び声ねぇ」



そんなレティシアのつっこみも今のコムイには聞こえていない。
自分が逆三角形の乗り物から落ちているにもかかわらず身を乗り出している。

それを必死に止めている科学班員。本当に気苦労が絶えない。



「リナリー!!リナリー!!ボクのリナリー!!コムリンのバカ―――!!」


リナリーにケガでもさせちゃったら…!


「室長落ちる!!」

「!し、室長あれ!」

「…!」

「大砲の先(あそこ)…」



ジョニーが指さす先にはレティシアとリナリー。
まだ目が覚めていないのかリナリーの目はうつろ。

レティシアが軽く支えているが、ちゃんと立ち上がっている。



「「リナリー!!レティシア!!」」



コムイとリーバーの心配そうで嬉しそうな声。
その声を聞きながら、レティシアはリナリーに微笑んだ。



「大丈夫のようね」

「レティシア…?」



焦点の合っていない目でレティシアを見つめる。
リナリーの目が覚めたことに安堵し、レティシアは笑みを浮かべた。



「えぇ。ただいま、リナ」

「…おかえりなさい。でもさっきアレンくんの声が聞こえた…」

「モヤシくんはコムリンの中に閉じ込められちゃったの。リナ、手伝ってくれるかしら?」

「もちろんよ…」



レティシアがニコッと笑うのと同時にリナリーのイノセンスが発動される。

しかし、コムリンは気付くことなく「エクソシストは手術―!!」と叫びながらリナリーたちへと向かっていった。
コムリンがリナリーを捕まえようと大砲の先を掴む。

しかしリナリーは大きく飛躍し、綺麗に着地した。



「リナリー!!この中にアレンがいるんだ」



リーバーの声にリナリーの視線がそちらに移った。
重力に従って逆三角形の乗り物がコムリンに引きずられていく。


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