「あの時の…」


あの女性…?たしかにあの女性とうり二つだ。

でも……


「あの時と全然年をとってない…」

「あら。女性に向かってそういうことをいうのね、英国紳士が」

「あっ!すみません!」


確かに失言だった。女性に対して年齢に関する話題に触れてしまうなんて。
レティシアに指摘されて、慌てて謝るがレティシアは気にしないとばかりに笑っている。



「そんなに怒ってないわよ。別に気にしてないから。
それにしてもやっと思い出してくれたのねぇ。
お姉さん、最初会ったとき覚えてるかなぁ?って期待してたんだけど…」

「すみません…」

「だから怒ってないわ。…で、あの時の言葉はちゃんと理解できたかしら?」



答えがわかっているというように、レティシアはニコリと笑いかけた。
そんなレティシアの笑顔にアレンも穏やかな笑みを浮かべていた。



「…はい」


あの言葉のおかげで…何度も立ち上がれた。

師匠に殺されそうになったときも……
借金取りに追いかけられて…殺されそうになったときも……



「ちょ、ちょっとアレン?遠い目になってるわよ…?」

「…、…ハッ!いえ、なんでもありません…」

「苦労したのねぇ。あのクロスのことだから…」

「ハハ…」

「また遠い目になってる……」


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