コムリンの事件の後、すぐにレティシアは神田との任務を言い渡された。

ノアが出現してからレティシアが言った通りペアの任務を基本にしている。
…レティシアは別に単独でいいのだが、恐らく神田のペアとなると適任がレティシアしかいないのだろう。

任務地に着けば、すぐにアクマの歓迎をうけた。



「ユウちゃん、これってピンチ?」

「さぁな」



背中をあわせてアクマを睨みながらも軽口をたたく。いや、軽口くらい言わないと気がまぎれないのだ。

――取り囲まれているのだ。しかもレベル2ばかりに。
いくらレティシアが強くともレベル2はそんな簡単に破壊できない。…といってもさっさと破壊してしまうが。



「(第二解放した方がいいかしら…)」



ちらりと神田を見やる。
でもここで第二解放すれば確実に神田を巻き込んでしまう。

これだからペアの任務は厄介だ。


本気を出せないから。



「(でもユウちゃんは足手まといにはならない…むしろ頼りになる…背中を預けられる人)」

「おい」

「ん?何?何かいい方法でも思いついた?」

「…三幻式でぶった斬る」

「ストップ。三幻式を使うのはナシ」

「あ?なんでだよ」

「だってユウちゃんの命が削られちゃうもの」



そんなこと、絶対にさせない。

そう言い切ったが、神田はレティシアの言葉に複雑そうな表情になる。



「んなこと言ってる場合かよ。このままじゃ今お陀仏だ」

「ん〜…ならユウちゃん」

「嫌な予感がすんぞ」


顔をひきつらせた神田に対してレティシアはにっこりと笑った。


「がんばってよけてね」

「!!」



レティシアの体が一層光を帯びる。
神田は何をする気だ、と振り向くとレティシアが自分で自分の腕を傷つけていた。

つぅっと赤い液体がレティシアの腕にしたたる。


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