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「それでさっきの第二解放なんだけど…ユウちゃんが見た通り、私はどこか力の放出できる場所を作らないといけないの。
でもイノセンスはすでに私を構成する物質の一つとなってる。
つまり自分の一部を出すんだからその分小さくなっちゃうってワケ」
「だから力の使いすぎ、か」
「そういうこと。ホント、便利なのか不便なのかわからないわ」
メリットもデメリットもわかっているから、レティシアは苦笑する。
しかし見た目は子ども。頭脳は大人。某探偵と同じ状態だ。
神田ははっきり言ってとてつもなく…非常に違和感があった。
「…元に戻れんのかよ」
「うん。力がそれなりに戻ったら」
神田を安心させるかのようにニコッと無邪気に笑う。
その笑顔はやはりレティシアそのもので、神田から無意識に肩の力を抜かせていた。
笑顔だけはかわんねぇんだな…と神田は小さな笑みを浮かべてきびすを返した。
「帰るぞ」
アクマもいない、イノセンスもない。
不可抗力だが、レティシアの力の一部もわかった。
得るものは十分得ることができたとばかりに神田はさっさと歩き始めた。
そんな神田の背中を見つめ、レティシアは悪戯を思いついたようににやりと笑う。
「…疲れたー!ユウちゃん抱っこー!」
「はぁ!?」
信じられない言葉にふり返った瞬間、小さな体が抱きついてきた。
満面の笑みを浮かべて、期待の眼差しを向けて。
「お願いユウちゃんっ!抱っこしてー!疲れちゃったの!」
第二解放って体動かさないけど疲れるの!!
お願いっ!抱っこして――!!
とダダをこねるレティシア(子ども版)
神田は少し…いやかなり渋ったが、結局一つ舌打ちして膝をつく。
「…オラ」
「やったー!」
ぎゅっと勢いよく神田の背中に抱きつく。
抱っこでなくておんぶ。まるで本当に小さな子供のようだ。
それでもレティシアは嬉しそうに笑い、その背に自分の体を預けた。
「ユウちゃん背、高すぎっ!悔しい〜!やっぱりもうちょっと背がほしいなぁ」
「…充分だと思うがな」
「充分じゃないよ…、…Zzz…」
「ってオイ!もう寝たのか!?」
突然の寝息に勢いよく振り返るとレティシアの寝顔が見える。
子どもだからか、少しあどけなさがあって正直可愛い。
「ちっ…」
今日だけだからな。
そう誰に言うわけでもなく、一人言い訳をする。
照れている神田とぐっすりと眠るレティシアが汽車に乗りこんだのだった。
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