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「おはよージェリー!」
「…!!レティシア!?あなた帰ってたの!?」
ビックリしすぎてジェリーの声が食堂に響き渡った。
少ししんっとしたがレティシアの美人さに気づき顔を赤くして背ける。
もちろんレティシアは周りなど気にするようなタイプではない。
みんなの反応は知らずジェリーに笑いかけた。
「久しぶりねぇ。元気そうで何よりだわ」
「ありがとう…じゃないわよ!一体何年帰ってきてなかったの!?」
「10年くらい。ちょっと遊びすぎたかしら」
「ちょっとじゃないでしょ!ちょっとじゃ!」
ジェリーのつっこみにレティシアもふふっと笑う。
ジェリーも少し落ち着いたのか、ふぅっと一つ息をついた。
「でも相変わらずそうでよかったわ。また綺麗になって」
「ありがと。ジェリーもかっこよくなったわよ」
「もう、誉め言葉がうまいんだから」
誉め言葉なのだろうか?
それは気にしてはいけない。
レティシアはジェリーを友だちと思っている。もちろん女友達だ。
(ジェリーが女かと聞かれたらレティシアも少し困るが)
(でも心は女の子なので気にしてないらしい)
レティシアが大元帥ということも実は知っている。恐るべしジェリー、だ。
「レティシア、何にする?」
「じゃ、サラダ大盛りで」
「相変わらずベジタリアンねぇ。ちょっと待ってて」
しばらくしてジェリーから大盛りのサラダを受け取ると席を探す。
するとある一角がぽっかりと空き、一人陣取っている。
レティシアは悪戯っ子のような笑みを浮かべると迷わずその席へと向かった。
もちろんその人物をからかうために。
「おはよう、ユウちゃん」
「ちゃん付けすんじゃねぇ」
「朝からご挨拶ねぇ。ここいいかしら?」
「断る」
「ありがと、さすがユウちゃん。優しいわねぇ」
「お前話聞いてんのか!?」
さっさと神田の前に座り、にこにことサラダにパクついた。
おいしい、と笑みを漏らすと、神田も諦めたのか静かに蕎麦をすする。
しばらくは無言で食べていたがレティシアの性格上ずっと静かに食べるということはできなかった。
しかも今、自分のからかいがいのある人No.1が隣に座っているのだ。
これで話さないわけがない。
「ユウちゃんは蕎麦が好きなのね。
私も日本食は好きよ。野菜がふんだんに使われていてヘルシーで低カロリーだし」
「…知るか」
一言で切り捨てられた。
少し間が空いたのはたぶん無視するか迷ったからだと思われる。
そんな神田の反応に対してレティシアは「まぁ!」と憤慨したように声を上げたが顔は笑っている。
「私の好みを教えてあげているのよ?」
「興味ねぇ」
「ユウちゃんって冷たいわね。彼女できないわよ?」
「いらねぇ」
即答する神田にレティシアは少しじぃっと見つめたがふいに目を離し、なるほどねとうなずいた。
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