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次の日、あまり眠れず日の出前だったが体を起こして着替える。
…その原因は嫌というほど自分でわかってる。




「好きです、沙梛さん。女性として…あなたが好きです」



そんな沖田の声が蘇り、小さく溜め息をつく。



「―――オレ、はっ!」




そして同時に思い出す剣心の声。
…苦しそうだった。苦々しく絞り出された声は何故か私の胸を締め付ける。

―――あんな顔、させるつもりなかったのに。

締め付けられる胸に比例して拳を握り締め、冷たい水で自分の顔を荒々しく洗う。

一緒に人斬りという大罪を犯しているからか…どうにも、剣心には辛い思いをさせたくないと強く思う。




「…って剣心のことばっかり…」




沖田のこと考えてたはずなのにいつの間にか剣心のことを考えていた。
いやいや違う、と頭を振って井戸から離れると医療室の障子を開ける。

とりあえずそこで集中して仕事をこなそうと思ったのだが……




「あっ…!」

「あら、先生、またですか?」

「ごめんなさい、私…」

「……少し休まれた方がよろしいようですね。休憩にしましょう」




普段だったらしないようなミスばかり。
助手には呆れられてしまうほど注意散漫な私はお言葉に甘えて甘味屋に休憩しに行くことにした。

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