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ーーハンジside


最近のリヴァイは、変だ。


エミリオを近づけたいのか、遠ざけたいのか、わからない。

この前、二人が一緒にいるところを見た。
その時のリヴァイは…激しい熱をもった"男"の目だった。

…なのに、冷たく当たったり、話しかけようとしなかったり。


この前なんて、エミリオがミケと楽しそうに話してるだけで、「そんな暇があるなら仕事をしろ」と大量の資料を揃えさせたり、
かと思えばあの潔癖のリヴァイの部屋にカップを置かせたり、(しかもカップはリヴァイチョイス!あのリヴァイが店で悩んでいる姿が想像できない!)

何がしたいんだか…って、まぁ今考えただけで何となく察しがついちゃったけど。

でもねーおかしいんだよねー

リヴァイは初恋の女の子が忘れられないってエルヴィンから聞いてたはずなんだ。



吹っ切れた、ということなのだろうか。

それとも、



「ミケさん、この前いただいたお菓子とてもおいしかったです!」

「そうか。それならよかった」

「また食べたいのでお店を教えていただけませんか?」

「あぁ、なら…今度一緒に、」

「エミリオ!」

「リヴァイさん…?」

「…オレが頼んだ資料は揃ったのか」

「…?急がない資料では、」

「急遽いることになった。急げ」

「は、はい。…ごめんなさい、ミケさん。また教えてください」

「あぁ、気にするな。行ってこい」


ぺこり、と頭を下げてエミリオは走って資料室へ向かう。

……おぉ、何だ、リヴァイが殺気立ってミケに何か言ったぞ。


リヴァイも去っていったので、影から出てミケに「やぁ」 と声をかける。



「見てたんだろ」

「あちゃーバレてたか」

「匂いでわかる」

「そっか、そりゃそうだな。…で、リヴァイは君になんて?」


直球で尋ねる。

ミケはふ、と小さく鼻で笑って肩を竦めた。



「"あまり調子に乗るな"…だと」

「ふーん…」

「わかりやすいんだな、リヴァイって」

「うーん、それがイマイチ釈然としないというか…」

「何か気になるのか?」


ミケの言葉に軽く言葉に詰まる。
まだ言葉にすることができない感覚を何と表したらいいのやら……

とにかく、二人とも幸せになれる方向へ向かったらいいのだけど……そう願わずにはいられなかった。


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