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荷物をまとめていると荒々しくドアが開く。
驚いて振り返るとそこには息を切らしたリヴァイさんが立っていた。
「リヴァイさ、」
「何してる」
何故か怒っているリヴァイさんに困惑する。
…私の役目は終わったはずなのに、いらないと判断されたはずなのに、
どうしてリヴァイさんは、
「…荷物を纏めていました。私は、」
「行くな」
「…っ、ですが、エルヴィンさんに、」
「関係ねぇだろ!」
「関係あります!リヴァイさんも私がいなくなって精々するんじゃないですか!?」
あぁ、こんなの八つ当たりだ。
リヴァイさんは悪くないのに。
傷つけたくないのに……っ
言葉が、止まらない。
「私がいない方がフィリーさんを思い出さなくてすむじゃないですか!
リヴァイさんは、彼女を思い出すときいつも苦しそうで…私がいない方が都合が、」
「勝手に決めるな!!」
初めて見るリヴァイさんの悲痛な声に、心がずきり、と痛んだ。
「オレの気持ちを、勝手に想像して、勝手に決めるな…っ!」
「…リヴァイさん…」
苦しそうに絞り出された言葉に思わず言葉を失っていた。
…リヴァイさんの言う通りだ。
リヴァイさんに直接言われたことはない。
ただの推測で…あぁもう自分が嫌になる。
「…確かに…お前が言う通り、…フィリーを見ているのか、エミリオを見ているのか、…混乱するときがある」
「………っ」
「だが…!…っ、だから…勝手なことを言ってるとわかっているが……
オレが、どちらを見ているのかわかるまで…オレの側にいてくれないか…?」
リヴァイさんの言葉に、涙がこぼれた。
側にいてほしい、と言われた。
その理由が例えリヴァイさんの自己中心的な思いだとしても。
自分を必要としてくれたことが、嬉しかった。
「…いて、…いいんですか?」
「…お前じゃなきゃ、嫌なんだ」
そっと、優しく抱き寄せられて、…また一つ涙がこぼれた。
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