Souvenir



あれから数日…


僕は任務をこなしながら時々ボンゴレの屋敷に行くようになった。
ジョットに気になった人物を報告しに行ったり、前々からマークしていた人物の報告をしたり。
以前なら「資料送るから」の一言で終わっていたのだが、わざわざこの僕がボンゴレの屋敷まで足を運んでいた。

その理由は、




「やぁ、久しぶりだね」

“お久しぶりです、アラウディさん”




医療室に行くと医療班の責任者として働いているセリアに会うために。

今日は昨日まで行っていたフランスのお菓子を持って来ている。
声をかけるとセリアは振り向いて嬉しそうに笑ってくれた。
差し入れ、と言ってお菓子を差し出すと少し申し訳なさそうにしながらも「ありがとうございます」と受け取ってくれる。
医療室のソファーに勝手に座るとセリアはお菓子をお皿に乗せて、紅茶と一緒に出してくれる。




“フランスに行かれていたんですか?”

「うん、仕事だけどね」

“どうでした?”

「そうだね…」




仕事で行ったからもちろん有名な観光地など行っていない。
今回は田舎だがワインで有名なボルドーに行ってきた。
ワインの名産地であるだけあって葡萄畑が緑に囲まれ美しかった。
それを伝えると“素敵!葡萄はどうだったんですか?”と楽しそうに聞いてくる。
まだ青かったが甘い香りがほんのりしていた気がするな……
そう言うとセリアはとても楽しそうに笑った。



−−−とくり、


そう心臓のなる音が自分から聞こえて小さく首を傾げた。
今は緊張する任務中でもわくわくする戦闘中でもないのに何で胸が高鳴ったんだろう?

不思議に思っていると新しい患者がきたとの知らせを受けたので僕はこれで帰ることにする。
じゃあね、と言って医療室から出ていくと玄関まで歩いていった。
玄関ホールまで行き、扉を開けようとすると外側から開いた。




「……邪魔なんだけど」

「第一声がそれとは相変わらず失礼な男ですね」




ヌフフ、と不快に笑う目の前の気に入らない男、Dに思いっきり舌打ちした。
隠しもしない僕の嫌悪感にDはよくわからない笑みを浮かべると「珍しいですね」と一言。

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