Complex



その機を際に二人してどことなく殺伐とした空気を持っていたにも拘わらずなかったかのようにとり消す。
その違和感に気づくことなくセリアはカップをテーブルに置いて紅茶を淹れてくれた。




「ありがとう。いい香りだね」




普段なら絶対に言わないがセリア相手なのでそう伝えるとセリアは嬉しそうに微笑んだ。
…ジョットがあからさまに「お前そんなこと言えたのか」みたいな顔しててむかつくけど。

セリアは軽いお菓子をテーブルに出すと小さく首を傾げた。




“アラウディさんとのお話は終わったの?お兄様”

「あぁ、終わったよ」

“…私、報告があるんだけど、今大丈夫?”

「報告!?言っておくが恋人なんぞは認めんぞ!」

“もう…違うよ、お兄様”




呆れたようにセリアは小さく笑ったが、僕は内心ドン引きしていた。
え、何さっきのシスターコンプレックス発言。
何で報告、って言われて男が出てくるわけ?
しかも会う前から認めん、ってどこの頑固親父なんだ。
そう明らかに引いた顔をした僕には気づかず、セリアとジョットは会話を続ける。




“医療班に一人入れたい子がいるんだけど、いい?”

「男か?」

「(え、そこでも聞くわけ?)」

“ううん、女の子”

「許可する」




早っ!
いくらなんでも早すぎるんじゃない?
しかももしそれが男だったら頭ごなしに許可しなかったのだろうか。
そう考えるとどれだけ大事にしているんだ、とこっちまで呆れる。
さすがにジョットも正気に戻ったのか「今度書類と本人に会わせてくれ」と言ったのだった。

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