Mist



「君とボンゴレで会うとは。
何時もならあまりこの屋敷に来たがらないでしょう」

「…君には関係ない」




僕のこの歯切れの悪い答えにさらにDはおや、と驚くのがわかった。
恐らくジョットに呼び出されて仕方なく、とかそんな理由を言われると予想していたからだろう。
何かあるんですか、と怪しげな光がDの目に灯る。

…面倒くさいな。

彼女、セリアのことがバレるのも面倒だし、それによってあのシスコンジョットがうるさくなるのも面倒だ。




「ないよ。偶然さ」

「…そうですか」




偶然ね、と疑うように繰り返したDを一瞬睨みつけ、もう用はないとばかりにその横を通りすぎる。
奴の視線が最後まで探るように自分に向いていたことはわかっていたが、一度も振り向くことなく歩き続けた。

−−−そのあとDがにやりとした嫌な笑みを浮かべているとも知らず。




「…興味深いですね」




あの雲のように孤高を好むアラウディがボンゴレの屋敷に自分から来る理由……

ボンゴレの正義に関わることなのか。
それとも全く関係のないことなのか。




「もしかしたら意外と女かもしれませんねぇ…」




まぁ、言ってみながら99%有り得ないと思うが。

ヌフフ、ともう一度小さく笑ってボンゴレの屋敷に入っていく。
小さな悪戯心を胸に……

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