Earring



あ、と思った瞬間にセリアは嬉しそうに笑ってこちらに来ようとしていた。
ジョットも同時に気づいたようでアラウディ、と彼の唇が動く。




“アラウディさん、来てくれたんですね。”

「当たり前でしょ。誕生日おめでとう、セリア」

“ありがとうございます”

「これ、プレゼント」




はい、と袋を渡すとセリアは驚いたように目を真ん丸くさせて僕を見つめる。
その顔が僕からプレゼントをもらうなんて思ってなかったと言わんばかりで少し心外。
その素直すぎる顔に軽くデコピンするとセリアは痛そうに患部を両手でおさえる。




「驚くなんて失礼だね、セリア」

“…ごめんなさい。びっくりもしたけど、嬉しくて…”

「…そう」

“開けていいですか?”

「好きにすれば」




僕の言葉ににっこり笑ってセリアは丁寧に包み紙を剥がしていく。
そして中から出てきたのは、




“綺麗…!”




瑠璃色の飾りがついたシルバーイヤリング。

ピアスもあったけど、セリアがピアスの穴を開けていないことは知っていたからイヤリング。
瑠璃色の結晶のような飾りは涼しげな小さな小さな音を奏でる。
見た目もしとやかなセリアに似合うことも考えたが、この音も気に入って贈ったのだ。

綺麗、と何度も口が小さく象り、じっと嬉しそうにイヤリングを見つめる。
ふわり、と広がった大きな笑みに満足しながら、嬉しそうに笑うセリアを優しく見つめた。




“ありがとうございます!大切にします!”

「うん。なくしたら咬み殺すから」




はい、と軽くはみかみながらセリアは頷くと大切そうにそのイヤリングを抱きしめると、何かに気づいたような顔をする。
どうしたのだろうか、と首を傾げると楽しそうな笑みを浮かべてセリアは今つけているイヤリングを外した。
外したイヤリングをポケットに仕舞うと僕がプレゼントした瑠璃色のイヤリングをはめてくれる。




“どうですか?”




ニコニコと笑うセリアにきっと下心なんてない。
そんなこと一番わかってるけど……


あぁもう、かわいい。


その無邪気な心も、似合うか聞いてきたことも、全部。

僕はゆっくりと笑うとそっとセリアの横髪を耳にかけてあげる 。




「似合うよ。かわいい」




ぼん、とセリアの顔が一気に赤に染まっていくのがわかる。
あ、照れてる、なんて思いながら笑いを咬み殺せばセリアは軽く俯いて“アラウディさんの意地悪”と心の中だけで悪態をついた。

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