Lonely
“パーティーに、私が?”
「本当は絶対に絶対に絶対に行かせたくないのだが、…相手がどうしても、と言ってきてな」
お兄様と過ごす穏やかな午後。
久しぶりに自分でお菓子を作ってお兄様にご馳走するととても喜んで頂けたのだが、パーティーの話になり、少し…いや、かなり嫌そうな顔をされた。
お兄様は私をパーティーに出すことを極端に嫌がる。
…一つの理由は弱点である私を簡単に見せたくないからだろう。
もう一つは話すことのできない私がパーティーで陰口を言われることを嫌っているから。
どちらも優しすぎるお兄様の配慮。
けど、今回はそうも言ってられないのだろう。
お兄様ができるだけ安心できるように“楽しみ”と笑ってみる。
…お兄様は私の心を読んだように少しだけ悲しそうに苦笑したけど「エスコートは私にさせてくれ」と言ってくれた。
“嬉しい、お兄様”
「ドレスは任せておけ!」
“…ありがとうございます…”
あぁ、あまり派手でなければいいのだけど……
今からはりきるお兄様に小さく困ったように笑って紅茶を淹れる。
その時ふといつもお茶に付き合ってくださるアラウディさんを思い出した。
そういえばアラウディさん最近いらっしゃらない…お仕事が忙しいのかな……
「…?どうした、セリア」
“あ…えっと……アラウディさん、最近いらっしゃらないからお忙しいのかな、って”
「あぁ、アイツか。まぁ気紛れな奴だしな。もしかしたらそうかもしれない」
“…そう、よね…”
少しだけ胸にぽっかりと穴が空いたみたいに寂しい気持ちが支配する。
お兄様が知らないということはボンゴレ以外の仕事だということ……
今まで毎日のようにいらっしゃっていたのはボンゴレのお仕事が忙しかったからで、私に会いに来てくださったわけじゃない。
頭ではわかっているのだが、やっぱり毎日のように来てくださっていたから寂しいものは寂しい。
本業がお忙しいのだ、と自分の中で決着をつけておく。
「…セリア、アラウディが来なくて寂しいか?」
お兄様の探るような瞳が私を見つめる。
寂しいのは本当なので素直にこくり、と頷くとお兄様の瞳がきらり、と不穏に光った。
「オレがいなくても寂しいと言ってくれないのに…!」
「………(そういうわけじゃないんだけど…)」
「あいつばかり(以下略)」
ずっと愚痴を言い続けるお兄様の言葉を聞き流しながら、私はずっとアラウディさんのことを考えていた。
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