Piece
あぁもう、なんて面倒な仕事なんだ。引き受けなきゃよかった。
そう後悔しても後の祭り。
ベタベタとくっついてくるこの女にいい加減苛つく。
…が、しかし、如何せん彼女はようやく見つけた糸口。
今感情に任せて殴り飛ばすわけにはいかない。
「ねぇ、聞いてらっしゃる!?アラウディ様!」
「…………あぁ」
「もうっ!それでね…」
ぴったりと胸を押し付けてくるこの女を心底剥がしたいが、それをしたらさらに五月蝿くなることはわかっている。
だからとりあえず適当に相槌を打ちながら考えるのはセリアのこと。
…この仕事のせいでしばらくセリアに会ってないな……
今も元気にしてるのかな。
風邪とか引いてないといいけど……
ていうか僕がこうしている間にわけのわからない男に言い寄られてないか心配だな。
「……なの!だからアラウディ様、今度のパーティー一緒に出て頂けないかしら?…もちろん、あのこともあなた様のお名前入れておきますわ」
「……それは光栄だな、楽しみにしてるよ」
ようやく、きたか。
にやり、と笑うことも抑えず、笑みを浮かべると女は何故か頬を染める。
この女に近づいたのはパーティーに侵入し、噂されている裏取引の現場に入るため。
ターゲットには存分に楽しませてもらわなきゃね。この僕が直々に調査してあげたんだから。
ようやく駒は、揃った。
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