Rain



数日後、執務室にいると部下から内線が入ってきた。
…見たことない東洋人がきていると。

名前は、と限りなく面倒だと思いながら聞けば予想通り「雨月」という。
あいつ…いつの間に僕のアジトを突き止めたのか。
軽く眉を顰めると「お知り合いですか」という部下の声が電話の向こうでするから嫌々ながらも肯定する。




「こっちじゃなくてダミーの応接室に通して」

「承知しました」




何の用なのか、全く。
ボンゴレの連中は揃いも揃ってマイペースというか自己中というか…まぁ僕がいえることじゃないけど。
アジトのダミー会社の応接室に行くと屈託のない笑顔を浮かべた雨の守護者、雨月が座っていた。
とりあえずその笑顔があまりにも屈託なさすぎるし、悪気もないからむかついて一発殴っておく。




「痛っ!なんでござるか!?」

「何となく。…で、何でここにいるの」

「ジョットが呼んでるでござるよ。
私は散歩がてらきただけでござるが」

「僕をまた呼び出すなんていい度胸だね」




ていうか散歩がてらアジトに来られるなんてたまったもんじゃない。
やっぱりもう一発殴っておくべきだったか、と思っていると「じゃあ、私はお暇させてもらうでござる」と言って立ち上がった。




「私はこのまま日本に帰るでござるよ。
アラウディも元気そうでよかったでござる」

「……さっさと帰れば」




…なるほど。
散歩がてら、ではなく、本当は帰る前に様子を見に来た、ということか。
雨月が帰ろうと僕には関係ないからどうでもいいんだけど。

冷たい、と苦笑する雨月に何も言わずに立ち上がって部下に出かけることを伝える。
部下は後で迎えを寄越すことを言って僕を見送った。

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