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「おはよう、恭弥」

「おはよう。少したまってるから終わらせるよ」

「はい!」




元気よく返事をしてから、いつものように机に向かう。
やることは変わらない。でもやっぱり資料作りって大変なんだよね。


(恭弥曰く仕事が早い、らしいけど)


集中して書類をどんどん終わらせていくと校庭から大きな話し声が聞こえてきた。
楽しそうな笑い声やツッコミまで。
その声があまりにも恭弥にとって五月蠅かったのか、今すごく不機嫌そうな顔をしている。

ふふっ!わかりやすいなぁ。




「恭弥」

「何?」

「そんな不機嫌そうな顔しなくてもいいのに」

「…うるさいんだからしょうがないでしょ」

「何も言えない…;恭弥、ちょっとだけ休憩していい?」

「いいけど…そんなに疲れた?」




恭弥から心配そうな視線を少しだけ向けられて少しだけ笑う。
特に無理をした、とか、すごく疲れたってわけじゃないんだけどね。




「ううん。ただリボーンに雪合戦強制参加だって言われたの」




参加しないと何されるかわからないし。

ダメかな?と申し訳なさそうに首をかしげると恭弥はうっと言葉を詰まらせる。
そしてしばらくずっと黙る恭弥に私も恭弥の答えを待った。




「(そうやって頼まれると弱いって知っててやってるでしょ。
ああもうそんなに可愛く頼まれたらいいっていうしか選択肢がないじゃない。
どうしよう……絶対他の男がいるから行かせたくない…でもそしたら美瑠が泣く……ああもう!)

…わかったよ。ちょっとだけだからね」

「…!ありがとう恭弥!!」




にぱっと笑ってコートも羽織らず外に飛び出していく。
その様子を恭弥が温かい目で見送っていたことなんて知らずに。



―――その笑顔で許してあげるよ。

満面の笑顔で出て行くってことはそんなに遊びたかったんだね。

(絶対にあいつらと遊びたいなんて思ったんじゃないよ)
(そう言い聞かせるんだ)

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