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楽しくて時間が過ぎるのが早い。
あっという間にご飯を食べ終わって、次の食後のコーヒーを淹れた。
ソファーにゆったりしていた恭弥にコーヒーを手渡して私もその横に座る。
「今日は楽しかったね」
「うん…、美瑠」
「ん?何?」
恭弥に呼ばれて私は体の向きを恭弥に向ける。
恭弥は少しだけ真剣な顔をしていて、私は反射的にドキリ、と心臓が高鳴り、緊張が走った。
何か、大切な話があるのかな…?
「今日、これを渡したかったんだ」
恭弥がポケットからだしたのは小さな箱。
丁度、手の平に乗るくらいの大きさで、硬い感触が伝わってくる。
なんだろう?という気持ちが大きくて軽く恭弥を見上げた。
「開けてみて」
「うん」
予想できない中身に好奇心からか少しドキドキする。
ゆっくり包装を剥いで、綺麗な箱から出てきたのは……華奢な一つの指輪。
まさか指輪とは思っていなかったからびっくりしすぎて、声が出ない。
「これ…」
「美瑠にもらってほしいんだ」
「いいの…?」
「うん。昨日、プレゼントしたいなって思って」
「ありがとう…嬉しいよ…っ」
私の感情に呼応したのかチャリッと私のつけていたネックレスがなる。
そっか…これで二個目なんだよね……
そっと胸元から元々つけていたネックレスを取り出すと恭弥の視線がそのネックレスに向かう。
「それは…?」
「これは私のお祖父様からもらった指輪なんだ。いつも身に付けておかないといけないの」
「そうなんだ」
「でも…この指輪をもらったときよりすごく嬉しいよ」
ふわり、と嬉しさからはにかむと恭弥の頬が微かに赤く染まる。
恭弥も照れているんだと思うと私まで気恥ずかしくなってきた。
キラキラと光る指輪をもう一度見ると心の奥がゆっくり温かくなっていった気がした。
「大切にするね」
お互い顔が真っ赤で、恥ずかしかったけれど。
でも、すごく…すごく、幸せだよ。
恭弥、本当にありがとう。
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