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「おはよう、三人とも!お花見の場所、取りに行こう!」
なんでオレが花見の場所取りにいくことに……!
22 お花見と私の秘密
「お花見って桜を見るんだよね?」
「うん。そっか美瑠ちゃん初めてだっけ」
「そうなんだ。隼人はある?」
「一応あるな」
「じゃ美瑠は初めての花見だな!」
公園に着くと真っ先に満開の桜が目に入る。
ひらひら舞う桜の花びらは美しい、なんて形容詞じゃ足りないくらい綺麗だった。
この風景を見れただけで日本に来てよかった、なんて思ってしまった。
それくらい綺麗で、私は思わず見とれてしまっていたがツナ達の話し声にすぐに意識を取り戻した。
よく見渡してみると朝早いからか誰もいなくて、とても静か。
…もしかして一番乗り?やったー!
「おーラッキー」
「これで殺されなくてすんだ〜」
「ビアンキに脅されたんだね;」
「一番乗りだ!」
そう喜んでいるのも、つかの間。
「ここは立ち入り禁止だ」
あれ…?今の声どっかで……ってやっぱりないかもしれない。
目の前に立っている体格のいい人に少し首を傾げた。
どこかで聞いたような声だし、見覚えがあるような気がするんだけど、中々思い出せない。
「この桜並木一帯の花見場所は全て占領済みだ。出てけ」
「(不良だ〜!)」
「(この格好…風紀委員みたい)」
みたい、というより恐らく風紀委員なんだと思う。
けれどやっぱりこの人の顔を思い出せなくて、何も言うことができなかった。
どうやらあちらからは私が見えていないみたいだし。
(風紀の人なら私に絶対挨拶してくる)
うーん、と首をひねっていると隼人たちはこの人の言っている“占領”という言葉に理不尽だと怒っていた。
しかし、さすが風紀委員の人(仮)
恭弥の後姿を見ているだけあって、話し合いなんて気持ちなんて全くなくてむしろもう私有地だとばかりに暴力を行使してくる。
そんな態度に隼人がついにキレてしまったみたいで、一発で彼を蹴飛ばしてしまった。
一応止めたんだけど…少し遅かった。
彼はすでに気を失ってしまっていて諌めるために「隼人、」と名前を呼んでみたが隼人は「けっ!」と悪態をつく。
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