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「何やら騒がしいと思えば君達か」
「ヒバリさん!!」
「恭弥…てことはやっぱり、」
「あ、この人風紀委員だったんだ!」
風紀委員である証拠が少しそろってると思ってたけど…本物だったんだ。
見たことないと思っていたけれど、もう少し配慮するべきだったかな。
苦笑していると恭弥が私に視線を投げかけた。
「美瑠、携帯の電源切ったままでしょ?」
「え、あ!」
携帯を慌ててみると確かに電源が入ってない。
今更電源を付けてみれば恭弥からの着信履歴がたくさん残っていた。
電源が入っていないなんて、全然気づかなかったや……
あはは、と笑ってごまかすと、予想通りだったのか恭弥が大きくため息をついた。
やれやれ、っていっているような、美瑠らしいね、っていっているような…そんなため息。
「ごめんね、恭弥」
「まぁいいよ。結果的に美瑠はここにいるし。
元々美瑠にここで花見しようって誘おうと思ってたんだ。
…僕は群れる人間を見ずに桜を楽しみたいからね。彼に追い払って貰っていたんだ」
「(またムチャ言ってる―!しかもこの人美瑠ちゃんとイチャつきたいだけだ!)」
「でも君は役に立たないね。あとはいいよ。自分でやるから」
「い…委員長」
恭弥の視線は先ほどの風紀委員の人に向かっていた。
役に立たない、と宣言されてその人の顔色がみるみるうちに青ざめていく。
―――役に立たない。
その言葉は、風紀委員にとって死を意味する。
この唯我独尊、非情なる委員長に“慈悲”という文字はない。
そして、そのことを風紀委員全員が一番よくわかっている。
じりじりと恭弥はその風紀委員に近づいていく。
そしてゆっくりと…トンファーを持った片腕をゆっくりあげた。
「弱虫は」
「恭弥ダメ!」
「土にかえれよ」
バキッという音とともにその風紀委員の人は殴られ、気を失った。
慌ててその風紀委員の人に駆け寄り、脈を診てみたが脳震盪を起こしているだけのようだった。
そのことにほっとしていたから、全然気づかなかった。
恭弥が気に入らない、とばかりむすっとしていたなんて。
「見てのとおり僕は人の上に立つのが苦手なようでね。屍の上に立ってる方が落ち着くよ」
「恭弥…」
恭弥の言葉にツキリ、と胸が締め付けられる。
…恭弥が優しいことは、ちゃんと知ってる。
人の上に立つのが苦手、といいながらみんなを引っ張っていくことができるそのカリスマ性もあることも知ってる。
けど、そうやってすぐに人を傷つけるなんて……そんなの、
ぎゅっと拳を握りしめながら恭弥を見上げて言葉を発しようとしたとき、私の言葉をかぶせるように「いやー絶景!」と明るい声が響き渡った。
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