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力を与え終わると不安そうなツナの顔。
何が起こったかわからないからだろう。

その表情に小さく苦笑していると、リボーンが見かねて「美瑠の力をもらったんだぞ」と説明する。
もちろんそれだけじゃわからないツナは「それってどういう意味だよ!?」と詰め寄ろうとしたが、その前に武が吹き飛ばされてしまった。




「説明は後だ。山本がやられたぞ」

「ええー!?オレは無理だよ!なんにも強くなってねーし!」

「んなことねーぞ。美瑠から貰っただろうが。さっさと暴れてこい」

「ちょっまてよ!!」




ツナが止める声も無視してリボーンが死ぬ気弾をツナに撃ち込んだ。

死ぬ気弾は私の力なしでも、十分強力な弾。
消耗される体力や気力も大きいのに、私の力も加わるとなるともしかしたらツナにとって負担が大きくなるかもしれない。

力の具合は大丈夫かな…?

そう心配していたのだが、ツナはレオンを呼び、レオンはツナの思う武器へと変化する。
…何故かはたき。

レオンなら銃とか棍棒とかになれるのに、なんではたき?
隼人は渋い!と感動していたけれど、シュールすぎる武器に少しだけ笑いそうになった。

恭弥もはたきという武器をチョイスしたツナに面白さを感じたのか、緩やかに恭弥の口元が上がる。




「君は変わってるね。強かったり弱かったり…よくわからないから、殺してしまおう」




その言葉を合図に恭弥の猛攻撃が始まる。
しかし、はたきで応戦していてもツナと恭弥は互角。
よく見てみればはたきの部分が少しだけ恭弥の髪に触れたりしている。

すごー、と武が呟くとリボーンが自慢げにくいっとニヒルに笑った。




「さすが美瑠の力も入っただけあるな」

「どういうことっスかリボーンさん!」

「まずいよ!五分経った!」




死ぬ気の炎がシュウウと音を立てて消えていく。
先ほどまで感じていた荒々しい気配がなくなり、ツナの優しげな気配に戻る。

恭弥はまだ立っていて、ツナにゆらり、と近づいていく。
さっき、シャマルが恭弥に何かしていたところを見たんだけど…あれは気のせいだったの?

ツナは恭弥に殴られることを覚悟したのか頭を庇うしぐさをしながらぎゅっと目をつぶった。

―――その瞬間。

恭弥の体がふらり、と傾いて、ゆっくりと膝をついた。
まるで自分の意志ではなく、誰かから無理やりつかされたように。

恭弥も何が起こったのかわからないのか、ありえないとばかりに目を見開く。




「恭弥!恭弥、大丈夫?」

「…何で」

「オレがやったの〜!?」

「違うぞ。奴の仕業だ」

「おーいて。ハンサムフェイスにキズがついたらどーしてくれんだい」




先ほどまで桜の根元で伸びていたシャマルがむくりと起き上がる。
よかった、と安心しながらも「ハンサムじゃないから安心して」と笑顔で言うとシャマルは「俺に冷たすぎねぇ?」と苦笑していた。

仕方ないよね、女の人にだらしないところを直してくれたら、すごく腕のいい医者なのに。

リボーンが殴られた瞬間にトライデント・モスキートを発動させたことを説明するとみんな「あの酔っ払いがそんなことを!?」をびっくりしていた。
確かに酔っ払いだけど、昔はすごくきりっとした殺し屋だったことを知っている私はあまり驚くことはなかった。

恭弥にかけた病気は『桜クラ病』
桜に囲まれると立っていられない病気らしい。

また変な病気、と思っていると恭弥がふらふらしながらも立ち上がる。
それを支えるように私も立ち上がった。

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