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―――黒曜センター

かつては娯楽施設として賑わっていたであろう場所だが、今では見る影もなくなっている。
荒れ果てた建物、錆びた門、伸びきった雑草…しかし中には真新しい足跡がある。

それはここ最近誰かが侵入し、…ここを利用していることを示している。



「ここだね」

「間違い、なさそうだね」



そう確信する理由はぞろぞろと出てくる黒曜中の制服を着た不良の人たちが出てきたから。
喧嘩腰の不良の人たちに恭弥は応戦する気満々ですでにトンファーを構えてる。
よくよく見てみれば恭弥はかなり楽しそうで、猟奇的な笑みも浮かべていた。

そんな恭弥に私は苦笑しながらゆっくり銃を構えた。

恭弥に遅れをとらないようにしなきゃ!

―――準備は完了。負ける気はまったくしない。
さぁ、始めよう…そして、終わらせるの。この、喧嘩を。



「美瑠、手加減はいらないから」

「(手加減しないと死んじゃう…)」



恭弥の言葉に再び苦笑をして一発地面に向かって一発撃ちこむ。

それが戦いの始まりの合図だった。



「ぐあっ!」



バキィィィ!!

そんな鈍い音と共にどさりとまた一人倒れていく。
その原因はもちろん恭弥で、トンファーで殴り倒していっているのだ。
恭弥は倒れた相手なんて興味はないとばかりに殴った相手も見ずにどんどん先に進んでいく。

……恭弥、楽しんでない?

(戦いを楽しんでほしくない、のに)
(いつか、その狂気に飲み込まれてしまうかもしれないから)

(そんなの、絶対に嫌)

でも、冷静は欠いていない恭弥は私のことを気にしながら戦ってくれている。
きっと私が危ないときはカバーしようとしてくれているのだろう。
その気持ちが見えるだけで、私は嬉しかった。…それに、安心する。

こうやって黒曜中の人達を倒しながら三階まで上がっていくと誰かが奥に座っている気配がする。

この余裕の対応…もしかして、首謀者である、骸…?
ようやく会えるんだ。…懐かしい、…かけがえのない友人に。



「やあ」

「クフフ。嬉しいですよ。
僕から会いに行こうと思ってたんですけどね。

―――美瑠」

「…!」



骸に自分の名前を呼ばれて、恭弥の隣から骸の前に姿を現す。
私の目に映る…少し大人っぽくなった、骸。
綺麗な藍色の髪に、澄んだ瞳。ミステリアスな雰囲気。
全てがあまりにも変わっていなくて、私の心は一気に懐かしさに包まれる。

骸も同じ気持ちなのか、懐かしそうに目を細めた。

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