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「では美瑠との関係などを吐いてもらいます」

「…言うわけないでしょ」

「そうですか。なら……」


―――ガスッッ!!!


「……っ」

「言うまで攻撃するだけですよ」



大体は見当ついてますけどね。
お互い向ける視線が優しかったから。
…それでもこの男から直接聞きたかったんだ。

(本当に愛し合っているかのよう、に)



「(こんな屈辱初めてだよ…っ)」



殴られ、蹴られ、一方的に嬲られる自分の身体。
殴り返してやりたいがあの医者がかけた不自然な病のせいで力が入らない。
それが、僕を苛々させるほど、悔しい。
大体何故僕がこの病気にかかっていることを知っている?
あの場にいたのは赤ん坊たちくらいだったはずだ。
あの場にいた人間がこの男にリークしたのか、…それとも知らない間に誰かに見られていたのか。

…そして目にはいるのは気絶している美瑠。
アイツは僕と美瑠の関係をしつこく聞くけど僕の方が聞きたいくらいだ。

ぎりり、と奥歯を食いしばり、目の前の男を勢いよく睨みつけた。
反撃できなくても、気持ちだけは…いやプライドだけは負けたくなかった。
そんな僕の心情を知ってか、知らずか、男は僕を嘲るような笑みを浮かべる。



「なぜ桜に弱いことを知っているのか?って顔ですね。…さてなぜでしょう」



もう一発殴られて、髪を掴んでいた手を離されていとも簡単に身体は地に伏せる。
それでも僕は睨み続けていたが、奴の笑みは変わらない。



「おや?もしかして桜さえなければと思ってますか?
それは勘違いですよ。君レベルの男は何人も見てきたし幾度も葬ってきた。
地獄のような場所でね。―――さあ、続けましょう」



バキッという音と共に殴り響く。
その嫌な音にあぁ骨が折れたな、とどこか冷静な頭が判断する。
意識が飛びそうなくらいの痛みだが、コイツに弱みを見せたくなくて声を食いしばって殺す。
それに、意識がなくても美瑠の前で弱い姿を見せたくなかった。



「…意外と口が堅いですね」



……一方的に聞くのも限界ですね。
僕と美瑠の間に誰も入れないということを自覚させて言わせましょうか。



「君は気にならないんですか?僕がなぜ、美瑠を知っているのか」

「…!」



僕の言葉に思わず彼の気持ちが反応したのがわかる。
…そうだろう、彼は人一倍プライドの高い男だとこの短時間ですぐにわかった。
だからこそ今知りたい気持ちがあっても絶対に「知りたい」とは言わないだろう。
でも、目は口ほどにものを言う。
彼の心が知りたがっていることは明らかで思わず笑みが浮かんだ。



「クフフフ。知りたそうですね。
いいでしょう。教えてあげますよ。僕と美瑠の深い繋がりを」

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