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「ねーねー骸さん、暇だびょん」
「私は、暇って思えないよ…」
先ほど大けがをして帰ってきた千種。…火傷の後を見る限り、隼人と戦ったのだろう。
千種はプロの殺し屋。きっと隼人だって無傷じゃないはず。
自分の大切な友達同士が戦い、怪我をしたと思うとずっしりと心の底が重くなる。
泣きそうになりながらも千種の怪我の手当てを終わらせて外をずっと眺める。
今のところ何も変化はない。…きっと隼人と戦ったのならリボーンが…ううん、ツナが動き出すはず。
ツナ達が来てくれれば、この状況をひっくり返すことができるかもしれない。
…恭弥を探しに行きたいけど…骸が行かせてくれない。
外を眺めている間もずっと抱きしめられてる……
でも抱きしめられて幸せなのは恭弥だけだから、私はその腕を抱き返すことができなかった。
恭弥、大丈夫かな…?…ううん。大丈夫なわけない。
骸と戦ったはずだから、きっと怪我してる。…きっと、すごく、痛いよね……
「美瑠、今誰のこと考えてました?」
「…っ、え…」
「クフフフ…美瑠はすぐに顔に出る。雲雀恭弥のこと、考えてましたね?」
「…っ、だって!恭弥のこと、心配だもの」
「心配しないでください。死んでいません」
「死んでなくても、怪我してるんでしょ?…手当て、してあげたい…っ」
「大丈夫ですから」
「骸…!」
絶対に骸は私を傍から離れさせようとはさせてくれない。
恭弥の様子も教えない。自分の視界から消えるようなことはさせない。
どうしてそんなに恭弥に会わせないようにするの…?私は、逃げたりしないのに。
どうしたら骸を説得できるのだろう、と考えを巡らせていると不意に犬の肩がぴくりと小さく揺れる。
…まるで何かに気づいたように。
「骸さん、ちょっと行ってくるびょん」
「…!どうしました?」
「遊びに来たみたいれす。ちょっと遊びたいんれ」
「遊びに来たって…犬、もしかして、」
「美瑠はここで待ってるびょん」
「犬!!」
待って!…お願い!みんなに怪我させないで…っ
犬にも怪我してほしくないの…!!
そんな気持ちが入り交りながら手をのばすが、犬の姿はすぐに見えなくなってしまう。
「大丈夫です。すぐに帰ってきますよ」
「…っ、骸…!どうして止めなかったの!?あのままじゃ、」
「…大丈夫です」
何が大丈夫なのか。
犬なら負けないから、大丈夫なのか。それではツナ達が怪我をしてしまう。
それではだめなのだ。お互いとも怪我をしないようにしたいのに…!
しかし、骸は笑顔を崩そうとはしない。
つまり、やはり私をここから出すつもりはないということだ。
そのことを悟った私は無理やり出るわけにもいかず、自分の無力さに拳を握りしめながらこの悔しさに耐えることしかできなかった。
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