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ど、どうしよう……
転入ってこんなに緊張するものなの…!?
1−Aと書かれたプレートのある教室の前で一人ぽつんと立ちつくす。
先生に入れ、って言われたら入るよう言われたけど…ちょっと先生長くない!?
こんなに待たされちゃったら緊張するだけしちゃうよ…!
なんだか無性に逃げたくなってきちゃった…これなら暗殺をこなす方がまだ緊張しないよ!
うーっと一人悶々しているとついに先生の「入れ」という言葉がかかった。
き、きた…!
よしっ!私も女。彼方美瑠の名にかけて立派にやりとげてみせます!
できればツナ達と同じクラスでありますように…!
ガラッと少し勢いよすぎるくらいにドアを開けると一斉に痛いくらいの視線を感じた。
たくさんの目、目、目……一体何個の目が私を見てるんだろう。
やっぱりたくさんの視線って苦手だなぁ……
コツン、とローファーを鳴らして真っ直ぐみんなと対面する。
な、何故かすごく静かなんですけど…!?
先生は気にも留めず私の名前を黒板に書いてえー、と言葉を発した。
「イタリアから来た彼方美瑠だ」
「(あっ!あれってツナだ。隼人も武もいる!)」
よかったー!一緒のクラスなんだ…!
知っている人がいるってだけなのにすごく安心して、緊張が解けて。
嬉しくなっちゃって小さくツナに向かって手を振ってみる。
ツナは一瞬驚いたような表情をしたけど照れながら手を振り返してくれた。
するとツナ達の周りを一斉に男子が囲んだ。
「おい、お前知り合いなのかよ!?」
「う、うん」
「ありえねー!山本もかよ!?」
「へへっ!まぁな」
「羨ましい奴らめ!まぁ獄寺くんが友だちっていうのはわかるけどよ」
なんて会話が少しだけだったけど聞こえてきた。
羨ましいものなのかな、転入生が知り合いって。
少しだけ首を傾げていると先生が「自己紹介よろしく」とふってきた。
あ、自己紹介ね!……自己紹介!?
え、自己紹介するなんて聞いていないよ!?どうしよう、何も考えてない…!
内心焦っていたけれど表面上はニコリ、と笑って「はい」と答えた。
マフィアだから焦りを表面に出さないのは得意だからね。
「えっと…イタリアから来た彼方美瑠です。
日本は初めてなので慣れていませんが、仲良くしてくれると嬉しいです」
兎に角笑顔でそう自己紹介してみる。
するとみんなが顔を真っ赤にして私から目をそらした。
えっ!?なんで逸らすの!?
私なんか変なこと言ったっけ…!?
動揺しつつも先生に席は山本の隣な、と言われて辛うじてはい、とだけ返事を返せた。
山本……あ、武の隣ね。
武の方に視線を向けると武は明るく笑いながら「こっちだぜ!」と手を振ってくれた。
私も笑いながらありがとう、と言って武の隣―――教室で言ったら窓側の一番端―――に座る。
「よろしくね、武」
「オレの方こそよろしくなのなー」
「じゃ、HR終わるぞー」
起立――礼――、なんて委員長らしき人の号令に合わせて頭を下げる。
そして一息ついて―――……つけなかった!
先生が出ていくと同時にみんなが一斉に私のところに駆け寄ってきたから。
しかもみんながみんな違うことを質問しながら。
な、何!?みんな何て言ってるの!?
逆にいっぱい聞かれすぎて何て言ってるのか全然分からない!
しかもすごい勢いで聞いてくるから私が思わず体を引いてしまった。
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