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『鋼球をとめるなんて……アルコバレーノが0.05秒以下の早撃ちで放ったのは恐らく特殊弾。
美瑠と同じくらいの早撃ち…ですね』

『しかし最後の一発だったとは。まんまと術中にはまってくれましたね。
これで一歩、ボンゴレ10代目の略奪に近づきましたよ』



聞こえてきた千種と骸の会話にすべての謎が解けていく気がした。

ボンゴレ10代目の略奪…骸の目的は、ツナだったのね…!
だから並中の生徒を強い人ランキング順に襲っていた。
ボンゴレボスなら戦闘能力も高いと思ったんだろうけど…ツナは、違う。
本当はとても弱くて、…でもだからこそ、優しくて、芯の強い人。
その優しさゆえに、周りの人を傷つける骸が許せなくて、ここに来た。…結果的に、骸の思惑通りになってしまったけど……

きゅっと悔しさに拳を握りしめると、ツナが骸の影武者を吹き飛ばした。
今までにない強さ……ツナは、この短時間に強くなっている。
その事実に、場違いとわかっていながらも少しだけ嬉しさがこみ上げる。



『あんたはそんな悪い人じゃない。
攻撃する時必ず目を閉じるのも、鋼球を使わなくてはとどめをさせないのも、あなたの心に罪悪感…迷いがあるからだ』

『な』

『あなたを最初見た時からおかしいと思ったんだ。
まるでうちにいる子供みたいにあったかくて怖い感じがしなかったから』



シュウウ、という音とともにいつものツナに戻る。
その瞳はどこまでも気弱だけど…優しくて、どこまでも包み込むような優しさがある。

…その直感……やっぱり…どんなに否定していても、ボンゴレの血筋なんだね。

そして、ツナ達の会話からわかる、私と別れた後に起こった骸たちのこと。



『オレの全てを奪った男だ!!』



彼の話を聞きながら、私は自然と涙を流していた。…悲しい、涙を。

骸は、そんなに悪い人じゃない。私がそれを一番知っている……
確かにこの人を操ってファミリーを殺したのは、いけないことだよ。
残酷で…自己中心的な思いもあったと思う。

でも……でもね。
骸はいじめられていた私を助けてくれた……
一緒にいて楽しくて、すごく温かい人だった。

ツナもビアンキもこの話だけなら酷い奴だとしか思わないかもしれない。

でも、私はそう思えないよ……あの触れ合った時間に、嘘はないから。

大切な友達の誤解に胸を痛めていると、突然襲う、針。
…!あれは、千種の針…!口封じで彼を殺そうとするなんて…っ!
そんなに、ボンゴレの地位がほしいの…!?



『六道骸だけは何とかしないと!!』



口封じのために攻撃されたランチアさん、今までの戦いで傷ついてきた仲間たち。
それが許せなくて、ツナは覚悟を決める。
その覚悟に私の気持ちはどんどん焦るとともに、悲しみにはまっていく。

私も何とかしたい。…みんなを助けたい。
怪我をさせずに…争わず、ただ笑っててほしいの……

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