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「ついに…骸を倒したのね」

「…!よかった!ビアンキの意識が戻った!」

「美瑠も、無事ね」

「ビアンキ…骸が……」



それ以上続かない言葉にかぶさるようにビアンキが私を抱きしめてくれる。
その瞬間に香るのは、ビアンキの香水の匂いじゃなくて、鉄の…血の匂い。
…ビアンキもこんなにたくさんの傷を作っているんだ……

そう思うと悲しくて、どうしてこんな結末になったのか、悔しくて、涙がこぼれた。



「ビアンキ…っ」

「大丈夫よ」

「…っ!?」



今…っ!?…骸…?
まさか…今の声はビアンキだった……でも何だろう…骸の気がした……

…気のせい、だよね。
だって、骸は目の前で亡くなっているし、私を抱きしめてくれているのは、ビアンキなんだから。



「肩貸してくれない…」

「しょーがねーな。きょ、今日だけだからな」

「獄寺君!!いっちゃだめだ!」



困惑していた私の隣で、ビアンキが隼人に手を差し出したが、突然ツナが怒鳴り声をあげる。
その様子は、いつもと違う。…真剣で、どこか恐怖を感じているような声音。
まるで、骸と対峙しているときと、同じ…声。

…まさかツナも、同じことを感じたの…?



「ん?」

「どうかしたの?ツナも肩を貸して…」

「え…!?あ…うん……」



でも、ツナもよくわかっていないようで、何であんなこと言ったのかわからないようだった。

…ビアンキが苦手な隼人を、ツナが無意識のうちにかばった?
ううん、違う……そんな雰囲気じゃなかった。
なら、どうしてビアンキを手助けすることを止めたの…?

困惑している私とツナをよそに隼人がニッと笑みを見せる。



「いいっスよ。10代目は。これくらいのケガ大丈夫っスから」

「…でも……(何か、嫌な予感がする…なんて、言えないよ…!)」

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