3
「すまないわね、隼人」
「ほら、手」
「はい」
素早く骸の剣が照れていた隼人の横をかすめる。
それはまぎれもなく、ビアンキがしたこと。
辛うじて隼人はよけたけど、少しかすってしまって小さな傷跡を残した。
でも今はそんな小さな怪我より、ビアンキのしたことが信じられなくて、隼人が怒鳴り声をあげた。
ビアンキにとって隼人はとても大切な弟だ。…どんなに嫌われていようと、ビアンキは隼人を大切に思っている気持ちに変わりはなかった。
だからビアンキが隼人を攻撃するなんてこと、ありえないのに…!
「なっ何しやがんだ!!」
「まあ!私ったら…!!」
「ビアン…!!」
ビアンキ、と彼女の名前を呼ぼうとしたけど、さっきから感じる変な違和感によって言葉がつまる。
やっぱり変……!でも、私が感じていることは、ありえないはず…!
そんな考えがぐるぐるとまわっている間に、リボーンがビアンキの前に着地する。
そして、ぺしっと目を覚ますかのように優しくビアンキの頬をたたいた。
「何やってんだ、ビアンキ。しっかりしろ。刺したのは弟だぞ」
「私、なんてことを……、したのかしら」
ガッという音を立てて、骸の剣がリボーンのいたところに突き刺さる。
剣を刺したのはもちろん、ビアンキ。あの、リボーンを愛しているビアンキが、だ。
もちろんリボーンは宙返りしてさけていた。
…やっぱり…!勘違いなんかじゃない!
「リボーンさん!」
「こいつは厄介だな」
着地しながら呟くリボーンに私の顔から血の気が引いていくのがわかる。
この現象は昔、お祖父様から聞いたことがある。
聞いたときはすごく怖くなって、泣きそうになったことは鮮明に焼き付いていた。
これは厄介どころじゃない…っ!
「まさか…マインドコントロール…!?」
「ちげーな。何かに憑かれてるみてーだ」
「そんなことが…」
「だが事実だ。美瑠、お前も気がついてるだろ」
「…うん。あれは…」
「何言ってるの、私よ」
声も、顔も、何もかもがビアンキ。
だけどやっぱり違う……ビアンキじゃない。
信じがたいけれど、ビアンキじゃなくて…!
- 173 -
*前次#
ページ:
back
ALICE+