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「だが使用法があまりにもムゴかったため、マフィア界で禁弾とされ、弾も製法も葬られたはずだ」

「マインドコントロールの比ではありませんよ。
操るのではなくのっとるのです。そして頭のてっぺんからつま先まで支配する。
つまりこの体は――――……僕のものだ」



うっすら笑みをうかべて見せつけるように爪で隼人の首を切る。
そこから薄く血がにじんだ。
あの体は隼人のもの…私の大切な友達の体だ。
ただでさえ、戦いでぼろぼろなのに、傷が増えることが怖くて、思わず「やめて!!」と叫んでいた。

骸が手を止めると同時に、リボーンが私の疑問の一つである「なぜ骸が憑依弾を持っているのか」と問いかける。
でも、骸はただ「僕のものだから」とだけ答えたことに、またしても違和感を感じた。



「さあ次は君に憑依する番ですよ。ボンゴレ10代」

「やはりお前の目的は…」

「クフフフ。目的ではなく手段ですよ。
若きマフィアのボスを手中に納めてから僕の復讐は始まる」

「な…何言ってんの〜!?」

「骸…そんなことしても、骸は笑えないよ…」

「僕が笑うためではなく、美瑠の笑顔を守るためです。さぁボンゴレ10代、体をもらいますよ」



私の笑顔を守るため…?

私はツナを、みんなを危険にさらすことは望んでないのに。
こんなことをして、私が幸せになるはずないのに……

――骸が、幸せになれるはず、ないのに…!



「あの剣で傷つけられると憑依を許すことになるぞ」

「そんなこと、絶対にさせないよ…!」




私が庇うようにツナの前に立つ。

させない。そんなこと、絶対。私の大切なボスで友だちだから……

もうこれ以上、大切な友達を傷つけさせたりはしない。
もちろん、骸も、これ以上傷つけない…!



「その通りです。もっとも僕はこの行為を…“契約する”と言ってますがね」

「やめて、骸!!」



骸を止める暇もなく、骸は恭弥の首の皮を薄く切りつける。
これ以上傷つけたくなかったのに、また、恭弥を傷つけてしまった。

…これが、契約。恭弥の体が、骸の体になってしまった、ということ。
恭弥が立ち上がると同時に、ツナが殴られそうになり、私がその手を辛うじて止める。

恭弥の体だから、乱暴できないよ…!

どうしよう、と考えたが、突然、恭弥の体がふらりと揺れる。
そして、驚く暇もなく恭弥の体は私に倒れ込んできた。

きっと、骸が操っても操れないほどぼろぼろなんだ…っ



「おや?この体は使いものになりませんね。
これで戦っていたとは恐ろしい男だ、雲雀恭弥……」



そう呟いて、ふ、と恭弥から力が抜けていく。
…骸が恭弥の体からいなくなった、ということ。

次は誰に憑依するのだろうと思えば、隼人やビアンキ、千種や犬にまで憑依する。
みんな体がぼろぼろなのに…!!

ダメ、と。もうやめて、と叫んでも、骸は止まってくれない。

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