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「君の仲間をこれ以上傷つけられたくなければ、逃げずにおとなしく契約してください」
「な…!」
「…っ!待って骸!」
「美瑠ちゃん!?」
フラフラしながらもゆっくり立ち上がる。
正直…力を使いすぎて、意識を保つのが精一杯……
でもっ!ツナに憑依させたくない…っ!
もう、これ以上、私の友達を傷つけさせない…!
「私と、契約して。骸」
「…、…何を、言ってるんです?」
骸が少しだけ怒ったように低く問いかける。
それでも、私はこれ以上譲ることができなかった。
もう傷つけたくないと思っていても、恭弥やみんなを傷つけてしまっている。
何もできない私じゃ、もう、嫌なんだ。
「私はこれでもボンゴレの天秤。私の地位でも、充分ボンゴレを乗っ取れるよ。
私の体をあげる。だから…ッ!!ツナは諦めて!!」
私に憑依して…ボンゴレを壊滅させようとしてもきっと、ツナと九代目…ディーノがとめてくれる。
…恭弥がもしこの場で意識があったら反対すると思うけどね。
それは、心の中でいっぱい謝るから許して。
「何言ってんだ、美瑠」
「ごめん、リボーン。でもこれしか方法がないから」
ふざけんな。お前を失って悲しむ奴がどれだけいると思ってんだ。
美瑠のことだ。自分が暴走してもディーノや九代目がとめてくれることまで計算してるだろう。
自分から傷つくことを選ぶなんて……
それに、9代目もディーノもお前を殺すことなんてできないに決まってるだろ。
できたとしても、一生後悔して一生罪の意識が残る。
それでもその道を選ぶっていうのか?
リボーンの饒舌な言葉に、私は口を閉ざすしかなかった。
確かに、悲しませてしまうと思う。…でも、今みんなを守るには、これしか方法が……
「その選択肢はありません。僕はボンゴレ10代目としか契約したくありませんから」
「…っ!どうして!?私の方が…!」
「もし僕が美瑠の体を乗っ取ってしまえば、ボンゴレは確実に乗っ取れる。
でも、美瑠という人格は永遠に失われてしまう。それは、僕が嫌なんです」
愛する人を一生失うなんて、僕は耐えられません。
「骸…、…っ!?」
何…!?体から…一気に力が抜けていく…っ、意識が…奥に…引き戻される…!
いや…!待って、待ってよ、私の体…!
私はまだ…っ!!
でも、引きずられるようにして、私の意識は沈んでいった。
最後に「美瑠!」という骸の焦ったような声を聴きながら……
―――美瑠の意識がなくなるのと同時に淡い光も収まっていることに、みんなはまだ気づかない。
(よかった、美瑠が気を失ってくれて…)
(おやすみ、ゆっくり休んでくださいね)
(誰よりも優しい君が傷つかないように…)
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