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「美瑠っ…」



目を覚ましてくれて、本当によかった。

その喜びからぎゅっと美瑠の体を抱きしめる。
強く…でも、美瑠の体に障りがないように、優しく。
美瑠も嬉しそうに微笑むと、そっと僕の背中に手をまわしてくれた。



「よかった…目が覚めてくれて……
もう一生……目を覚ましてくれないかとっ…」

「(恭弥…)」



僕はただ、抱き締めるしかできなかった。

病室で美瑠が目を覚めるのを待っている間、心臓音を伝える機械が、いつとぎれてしまうのか……怖くて、仕方なかった。
手を握っても、握りかえしてくれないのが、とてつもなく不安させた。

もし…このまま目を覚まさなかった、ら?

そう思うと、体が震えて…、…何も考えられなくなった。
縋るように、美瑠をつなぎ止めておくように、ただずっと、美瑠の手を握っていた。




「(恭弥…ごめんね……いっぱい心配かけて…恭弥…、…あ、れ…?)」

「美瑠…」



美瑠の顔が見えるように、お互いに目線をあわせる。

やっぱり…寝ているときとは違う。
視線が交じり合うのが、こんなにも嬉しい…なんて。




「おかえり」



なぜだかわからないけど、初めに出た言葉がこれだった。
きっと、自分がいってほしいからなんだと思うけどね……

美瑠は軽く俯いたがニコッと笑って、嬉しそうにこくりとうなずいた。

……?何だろう。何か、違和感を感じるんだけど……



「気分はどう?」

「……」




少し迷ったように目をキョロキョロさせる。
その様子に僕の違和感はどんどん高まっていくばかり。

どうしたの…?どうして、何も返してくれないの?



「…美瑠、お前……」



赤ん坊が何か確信したように口を開くと、ビクッと美瑠の肩が震える。
そして、二人はしばらく見つめあう。…まるで、心の中で会話しているように。



「(リボーン…言わないで…)」

「(やっぱりか。お前、声がでねーんだな)」

「(…うん)」

「(何でだ?心当たりがあるから落ち着いてんだろ)」

「(…私、骸に強力な薬を飲まされて意識が深いところまで落ちちゃったの。
意識を浮かすために天秤の力を使ったんだけど…天秤の力を精神の中で使うのは困難で――――)」

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