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「…美瑠?」
「ミチル!ミチル!」
この前、何故か僕に懐いた黄色い鳥(ヒバード)も美瑠の名前を呼んだ。
ふいに僕は書類にサインしていた手を止める。
今……美瑠が僕を呼んだ気がした。
きっと、この鳥も同じようなことを思ったのだろう。
もう学校の授業は始まっている。
いつもならもっと早く応接室に来て書類処理してくれるのに……
美瑠は真面目だけど、風紀の仕事を優先してくれる。だから授業にはあまりでない。
今日は出てるのかな…?
…会いたい、な。やっぱり。授業中だけど…美瑠に会いたい。
「ヒバリ!ミチルニアイニイク?」
「もちろん」
そうと思えば、即行動。
僕は書類をその場にほっぽりだし、自慢の学ランを翻す。もちろん向かう場所は2−A組。
静かな授業中に廊下を歩くのはとても気持ちがいい。
「邪魔するよ」
「ヒバリさん!!!!」
授業中にもかかわらず勢いよくドアをあければ、教室中の注目を浴びる。
最初は誰だ?という視線。
でも次第に僕だとわかり畏怖の視線に変わっていったのがわかった。
…そんなこと、どうでもいいけどね。
いつもなら僕が教室に来れば「恭弥!」と驚いたように、それでも少し嬉しそうに笑って美瑠が僕の名前を読んでくれるはずなんだ。
でも…その声は聞こえてこなかった。
視線をずらし、美瑠の席を見る。
席は………空席、だった。
どういう…こと…?
「…美瑠は」
「美瑠なら応接室で仕事してんじゃねぇのかよ」
返事をしたのは、小動物の右腕とかいうやつ。
怪訝そうな顔をしていることから、嘘は言っていないようだ。
「来てない」
「えっ!?美瑠ちゃん、てっきり風紀の仕事してるのかと…!」
沢田綱吉の発言から推測すると…朝から来てない?まだ、登校してないってこと?
…美瑠が寝坊…?
ワォ。可愛いけど、珍しいね。起こしに行ってあげようか……
「…わかったよ」
「ヒバリさん!?」
邪魔したね、と言って教室を後にする。
行く先は変わったが…目的は変わらない。
美瑠に会いに行く。
それだけだ。
でも…遅刻なんて、風紀委員としてあるまじきことだね。
咬み殺す。
もちろん……―――キスで、ね。
クスリと妖しい笑みを浮かべてバイクにエンジンをかける。
待っててね、と小さく呟いて――――
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