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あったかい……さっきまですごく寒かったのに。
きっと、誰かが気付いてくれたんだね。



『美瑠…大丈夫だよ』



この声は、恭弥?恭弥が、気付いてくれたの…?
……嬉しい………

恭弥がいるというだけで、安心する。
恭弥が大丈夫っていったら、大丈夫な気がする。

不思議だね……


でも、高熱を出しちゃうなんて…何年ぶりだろう。
…私の記憶上、ここまできつい高熱を出したのは10年前以来だと思う。

あの時はまだ小さくて…

あんなに苦しくて、でも誰もいなくて寂しくて。
おじい様も、ディーノも、忙しいことを知っていたから素直に甘えることもできなくて。
ただ一人部屋で泣きながら苦しさに耐えていた気がする。



『早く元気になれ…美瑠』



あぁ…そう。あの時、一人だけ私のお見舞いに来てくれたの。
でもあの時はすごくキツくて誰だったか霞がかかったように思い出せない。

ただ覚えているのは、その優しい言葉と、私の頭を撫でてくれた温もりだけ。

本当に嬉しかった……すごくすごく寂しかったから。

お祖父様、9代目もお仕事に行かれていて…いつも仲良くしてくれた方達も9代目についていかれてたからいなくて。


広い部屋に独りぼっち。


いつもなら慣れていて何も思わなかったけど…病気になったら人は弱気になっちゃうんだね。

誰かに側にいてほしかった。
大丈夫だよ、と言ってほしかった。

多くは望まない……

ただ、側についていてほしかった……


そんな時、その人が来てくれたの。

最初は何も言わずに、ただ側にいてくれた。
でも次第に…そっと私の頭を撫でてくれるようになって。

その暖かさと、優しさに涙が出そうになった。



『苦しいか?』

『大丈夫だ…オレが側にいてやる』

『だから…早くよくなれ、美瑠』



すっと入ってくる優しい言葉。

誰かは忘れてしまったけど……


ありがとう………

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