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寝ている美瑠の側で僕は美瑠の顔を見ていた。
さっき解熱剤を飲ませたから熱は下がってきはじめている。

よかった、とホッとしていると美瑠の頬に伝う、涙。


どうして……どうして、泣いてるの…?
僕はここにいるんだよ?

そっと美瑠の涙をすくってあげる。

寂しかった、のかな…苦しかった、のかな……
ねぇ…美瑠。

気付いてあげるの、遅くなってごめんね。
ずっと、僕が側にいてあげるから。

だから…もう、泣かないで……

ゆっくりと美瑠の長い髪を撫でる。



「…んっ…」

「…!美瑠…起こしちゃった…?」

「…恭弥…?」



虚ろだった目が、次第に僕を捉える。
僕だとわかったのか、美瑠が嬉しそうに微笑んだ。



「ここ、病院だよ。美瑠、家で倒れてたんだから」

「…うん、何となく覚えてるよ」

「制服着てたってことは、無理して来ようとしてた?」

「うん…」



ごめんね、と謝る美瑠に僕は再び頭を撫でてあげる。

まるで幼い子ども扱いだね。
でも…今の美瑠は無理したことを怒られるのを覚悟して、縮こまっている子どもみたいなんだもの。

安心させるように笑いかけると怒ってないよ、と伝える。



「僕こそごめんね。無理させて」

「私の体調管理不足のせいだよ。…でも…ふふっ」

「…?どうしたの?」

「小さい頃、熱出しちゃってね。その時独りぼっちで…寂しくて。
心細かったとき、誰かが私の頭を撫でてくれたことを思い出したの。
誰かは、忘れちゃったんだけど…もし、思い出したらお礼言いたいなって思って」

「ふぅん…そうなんだ」


きっと、おじいさんか誰かだろうね。
美瑠の周りには美瑠を大切に思う人がたくさんいるから。



「あの時すごく嬉しかったなぁ…あったかくて、すごく安心したの」

「…僕は、安心しないの」



むぅっと拗ねたように撫でる手を引っ込める。
すると美瑠が可笑しそうにクスクスと笑い始めた。

…何か、僕が子どもっぽく見えるんだけど。まぁ、確かに子供っぽい嫉妬なんだけどさ。



「恭弥が撫でてくれる方が、安心するし…幸せだよ」

「…そう」



ニコリと笑った美瑠の頭をまた撫で始める。

僕も…美瑠には甘い。
あの笑顔だけでまた撫でてあげたいって思っちゃうんだから。

くすぐったそうに身をすくませる美瑠にクスリと笑みを漏らした。


美瑠の熱はまだ下がらない。
でも苦しそうな顔はなくなり、笑みがこぼれた……

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